人身御供を初めて十年目のこと、ある家に六人の娘がいて、末娘を寄といった。娘は人身御供になることを希望して、親が止めても聞き入れなかった。寄は役人に、よく切れる剣と、蛇を噛む犬が欲しい、と願い出た。八月一日になると、あらかじめ蒸した米で団子を作り、それに蜜と炒り麦の粉をまぜたものをかけ、犬を連れて洞窟の前に行くと、それを蛇の穴の前に置いた。<br/>
蛇は洞窟から出てくると、まず'''米団子'''を食べ始めた。そこに犬を放つと、犬は蛇にかみつき、寄は'''後ろから'''蛇に切りつけた。数カ所に傷を負わせたところ、蛇は穴から出てきて死んでしまった。<br/>
寄は穴の中から九人の娘の髑髏を運び出すと「あなた方は弱虫だから、蛇に食べられてしまったのよ。お気の毒なこと。」と言った。そして家に歩いて帰った。<br/>越王はこのことを聞くと寄を后とし、家族にも報償を与えた<ref>大蛇を退治した娘、捜神記・巻十九、干宝、竹田晃訳、平凡社、2000年1月24日、p569-572</ref>。</blockquote>
== 伊奴神社 ==