ともかく、「洪水」を収めるのに、2匹の霊[[イヌ|犬]]が登場し、牡の方はプヌグ(中国神話の盤瓠)に相当すると考える。牝の方は、何物なのであろうか、ということになる。ところで、盤瓠父が「殺された神」だとすると神話的には存在しているが、現実には霊体であって「存在していなかった」といえる。ということは、洪水は「盤瓠の霊が鎮めてくれた」とされているかもしれないが、現実に誰かそれを治めた「人間」がいるはずである。その「人間」に相当するのが、「牝犬」だったのではないだろうか。'''彼女が[[盤瓠]]の霊の力を借りて洪水を鎮めた'''、という神話が[[ルカイ族]]の神話に発展したと考える。人身御供を求めるスアブよりも「治める」性質は彼女の方が優れていたかもしれないと考える。
彼女が「'''牝犬'''」とされているのは、盤瓠犬の娘だからだし、盤瓠犬を使役していたというのであれば、彼女が盤瓠を再生させた「再生蠱術の女神」でもあったのだろう。ただ[[ルカイ族]]の伝承では、プヌグが一人で「洪水を鎮めた」とされるものもあるので、そういう場合、この女神は「盤瓠犬」に習合して吸収されてしまっているものと考える。
こうして、盤瓠犬の中には「盤瓠父」「盤瓠息子」「盤瓠娘」の3人の性質が習合されているように思う。伝承によって、それぞれの優位な性質が表に出ているように感じる。また、「盤瓠息子」の中には「盤瓠父」を復讐のために殺してしまったという「'''親を殺す息子'''」の性質が含まれているであろう。ルカイ族の神スアブ、ミャオ族神話のクーポゥ老人は「盤瓠息子」でもあったと考える。特にクーポゥ老人は、復讐のために竜神を殺してしまうのである。
== 名前の由来 ==