* 龍:臍の緒は銅で切った(そのため龍は「銅」をおそれる、という)<ref>この「銅」の起原は「太陽女神が持つ針」のことではないだろうか(私的解説)。</ref>。臍の緒はスッポンに化生した。
* 虎:臍の緒は野生草で切った。臍の緒は野猫、狸、狐に化生した。
* '''蛇''':臍の緒は石で切った。:臍の緒は石で切った。臍の緒は水底に潜み水汲みの少女の天秤棒について家に入った。そのため父は'''醸鬼'''となった。母は呪いをかける「蠱」の薬であるジャを手に入れた。
* 象:臍の緒は茅草で切った。臍の緒はリャングという醸鬼に変化した。
==== 醸鬼 ====
'''醸鬼'''(リャン・ゴォ)は、中国貴州省の黔東南ミャオ族トン族自治州などに居住するミャオ族の一部に伝わる信仰・精霊概念である。醸鬼は、人々に災いをもたらす鬼の一種として語られる。 近世以降、征服者である漢族と接触する中で生まれた歴史的産物とされている。漢族の役人を指して醸鬼と呼んだり、よそ者を排他する際にこう呼ぶようである。醸鬼の伝承において「'''肥りすぎるとニキビ(あるいは腫れ物)が出る'''」といった俗信が語られることがある<ref>[https://iccs.aichi-u.ac.jp/archives/report/023/023_04_05.pdf 漢族移住による貴州黔東南苗族の“漢化”](曽士才)</ref>。
ミャオ族の伝承では「蠱」が大切とされ、ムカデ(これも蠱の原料)などが神話的に重要であって、いわゆる「虫信仰」で、漢字の「虫」が「蛇」と「昆虫」を示して、それぞれの区別が古代では曖昧だったとしても、一般的に蛇ではない「'''虫'''」の方が重用されるように感じる。蛇(中国では広く[[伏羲]]・[[女媧]]のトーテム)、象(インド神話のガネーシャ)は、「'''兄弟'''」とされていても、'''醸鬼'''として不吉なものとして扱われるようである。しかし、それが「蠱毒」の原料の「霊」でもあるのではないだろうか。古代において、不吉な霊を操るのは「'''母'''」であったことがうかがえる。
そして、'''醸鬼'''(リャン・ゴォ)の語源は、'''[[グミヤー]]'''であり、これは日本でいうところのいわば「'''邪鬼'''」のことと考える。「'''悪い蛇神のせいで、父親は邪鬼になってしまい、母親は毒女になってしまった。'''」という話の内容にも受け取れる。日本神話では、[[天若日子]]は結婚して天に逆らう邪鬼になってしまった、という話に該当するのだろうか。もっと民間的な伝承では、「大根足に溺れて仙力を失ってしまった久米の仙人」といったところではないか、と思う。創世記には「悪い蛇神のせいで父親は冥界から生き返らせられてしまい、母親は服を着るような悪い女になってしまった。」という話があったような気がする。ともかく、グローバル的には「悪い蛇」とは「女神」のことで表されることが多い気がする。ただし、創世記は別だけれども。
おそらく、紫式部の「玉鬘」は「悪い蛇女神が母親を狂気に追い込んで、父親をたぶらかし、家族をバラバラにした、だけでなく帝もたぶらかそうとした。」と言いたい
「ミャオ族系」の話であり、「雲井の雁」は「服も着ないなんてだらしがないし、夫の肋骨から生まれた妻と夫の当人同士の結婚なんてなんの益にもならない」と言いたかったのではないだろうか<ref>こうして見ていくと、毒吐き紫式部こそが世界に日本が誇れる'''「蠱術」の天才'''だという気がしてくるのだが。「創世記」から「ミャオ族神話」まで守備範囲が広すぎである。</ref>。
ともかく、この'''醸鬼'''(邪鬼)という概念はかなりグローバル的に広範囲に、少なくともここ2000年くらいには認められる概念と思われるので、蠱毒に関係するし、漢民族の影響というよりは、元々ミャオ族にあった概念ではないだろうか、と考える。
「ニキビ」の俗信についても「こぶとりじいさん」を彷彿とさせ、これもまた広い範囲で古くからみられる説話である。
=== 私的考察・ノンニュウ他について ===