<blockquote>天竺に大天という男がいた。父親が商売で留守にしている間に、彼は「この世で最も美しい女と結婚しよう。」と考えた。そしてある時母親が一番美しい女だと気がついたので、母親と結婚することにした。やがて「父親が戻ってくる。」と連絡があったので、大天は父親が家に帰ってくる前に出向いて、父親を殺した。その後、母親の浮気を疑って妻を殺した。その後大天は遠くに移り住んだが、かつて近所にいた羅漢の比丘に出会い、親殺しを言いふらされるのを恐れて比丘を殺した。大天は三逆罪(殺父・殺母・殺羅漢)を犯した。(今昔物語集[https://hon-yak.net/4-23/ 巻四第二十三話 父を殺し母を妻とした話] 今昔物語集現代語訳(最終閲覧日:26-02-05))</blockquote>
=== 私的考察 ===
これは大分父系化が進んだ社会の説話に書き換えられているので、もはや「母親」は当然のように複数の男性と関係を持ったりはしない。女性の貞操には厳しい社会になって、浮気を疑われるだけで殺されてしまうような状況である。しかし、「オイディプス王」は父親を殺しているので、母親と関係した息子が父親を殺した、というのが一番元の話にはあったと考えられる。台湾の伝承にはこの部分が欠落しているのだ。しかし、大天には「ブタ」と「イヌ」の2人の「父親」がいたはず。彼が殺したのはどちらの父親なのだろうか。大天が「ブタ」の父親と一体化していたのであれば、彼が殺したのは「'''イヌの父親'''」なのではないだろうか。そうすれば、これは結局「ブタ」の夫が「イヌ」の間男を殺した、という話になりはしないだろうか。大天はその父の「豚」と同じ存在なのだから。
== 関連項目 ==