=== 文化 ===
==== 日本 ====
[[大和民族]]におけるカエルは、棲息に好適な水辺や水田が多かったことから、常に人にとって身近な存在となっている。古くから[[冬眠]]から覚めて活発に行動する[[春]]から[[夏]]にかけての景物とされ、『[[万葉集]]』以来、特に鳴き声を愛でて詩歌に詠む。例えば[[山上憶良]]が「あまぐものむかぶすきはみ たにぐくのさわたるきはみ」(万葉集巻第五)と詠んだように、[[上代日本語|上代]]では谷間で聞かれる鳴き声から、ヒキガエルを「たにぐく(多爾具久・谷蟇)」と呼び大和民族におけるカエルは、棲息に好適な水辺や水田が多かったことから、常に人にとって身近な存在となっている。古くから冬眠から覚めて活発に行動する春から夏にかけての景物とされ、『万葉集』以来、特に鳴き声を愛でて詩歌に詠む。例えば山上憶良が「あまぐものむかぶすきはみ たにぐくのさわたるきはみ」(万葉集巻第五)と詠んだように、上代では谷間で聞かれる鳴き声から、ヒキガエルを「たにぐく(多爾具久・谷蟇)」と呼び<ref name="Simauchi">嶋内博愛、松枝到(編)「カエルをめぐる象徴性:グリム童話集を起点に」『象徴図像研究:動物と象徴』 言叢社 2006 ISBN 4862090079 pp.147-168.</ref>、『[[古事記]]』にも[[葦原中国]]の神の一柱として、『古事記』にも葦原中国の神の一柱として[[多邇具久]]が登場する。
[[和歌]]での「かはづ」は、主に鳴き声が美しいことで知られるカジカガエルのことを指すが、この語は[[平安時代|平安]]初期ごろから、混同されてカエル一般を指すようになった。[[俳諧]]においては、カエル一般を指すと思われる用例が増える。[[松尾芭蕉|芭蕉]]の「古池や蛙飛び込む水の音」、[[一茶]]の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」等の句は特に有名。「蛙」は春の季語で、これは初蛙のイメージから。「雨蛙(あまがへる)」「蟇和歌での「かはづ」は、主に鳴き声が美しいことで知られるカジカガエルのことを指すが、この語は平安初期ごろから、混同されてカエル一般を指すようになった。俳諧においては、カエル一般を指すと思われる用例が増える。芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」、一茶の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」等の句は特に有名。「蛙」は春の季語で、これは初蛙のイメージから。「雨蛙(あまがへる)」「蟇/蟾蜍(ひきがへる)、蟾(ひき)、蝦蟇(がま)」「[[カジカガエル|河鹿]](かじか蟾蜍(ひきがへる)、蟾(ひき)、蝦蟇(がま)」「河鹿(かじか=カジカガエル)」は夏の季語である{{refnest|<ref group="注釈"|>「蛙/蝦」は三春(初春・仲春・晩春・義春)・動物に、「雨蛙」「蟇/蟾蜍」「河鹿」は三夏・動物に分類される季語である<ref>{{Harvtxt|齋藤|蟾蜍」「河鹿」は三夏・動物に分類される季語である(齋藤, 阿久根|1997}}, 1997)。</ref>。}}。
[[鳥獣戯画]]([[平安時代]]末期)にも、[[ニホンザル|サル]]や[[ウサギ]]とともに、人間に擬せられたカエルの姿が、生き生きと描かれている。また、[[草双紙]]([[江戸時代]])では妖術使いの[[児雷也豪傑譚|児雷也]]が大蝦蟇(おおがま=空想上の化け物)に乗って登場する等、様々な表現のモチーフとなっている。貝原益軒の『大和本草』によれば、カエルの名は他の土地に移しても必ず元の所に帰るという性質に由来すると記述されている。
[[貝原益軒]]の『大和本草』によれば、カエルの名は他の土地に移しても必ず元の所に帰るという性質に由来すると記述されている。 一方、[[北海道]]周辺の[[アイヌ民族]]の文化においては、カエルは不吉な生き物とされていた。家にカエルが入り込めば、すかさず炉の熱灰をかけて退治したという。水田耕作をおこなわなかったアイヌにとって湿地帯は利用価値の低い土地で吸血虫の住処であり、そこに住むカエルも同様に忌み嫌われたものらしい一方、北海道周辺のアイヌ民族の文化においては、'''カエルは不吉な生き物'''とされていた。家にカエルが入り込めば、すかさず炉の熱灰をかけて退治したという。水田耕作をおこなわなかったアイヌにとって湿地帯は利用価値の低い土地で吸血虫の住処であり、そこに住むカエルも同様に忌み嫌われたものらしい<ref>『図解アイヌ』 角田陽一 [[新紀元社]] 2018年 p92</ref>。
==== 日本以外 ====