差分

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=== 4.母音で表記される群 ===
母音が接頭辞にくる群については、主に以下の2系統に分類されると思われる。
 
==== 1)A-、I-、E- ====
ヘバト(Hebat)女神の名を参考にしてこちらの群の接頭辞を見ていくと、いずれもKhrという言葉から子音が失われたものと思われる。おそらく、当初存在していたであろう「K」という子音ははっきりとカ行の音で発音するものではなく、軽く発音するものであったのであろう。この言葉から、葦、糸(機織り)に関するヒエログリフ、腕、口、きちんとした四角形の池、鳥、鳥から派生したと思われるマアトの羽等のヒエログリフが派生していると考えられる。<br>
ただし、葦は水辺の植物であるため、蛇神を意味する子音「d」の発音で読まれることもある。<br>
また、池を示す「sh」という言葉は、アッカドの楔形文字になると「不規則な形の池」を示す子音としても使用され、その場合には「月」を指すものと思われる。何故、「不規則な形の池」が「月」なのかといえば、月は満ちたり欠けたりして、その形が不規則だからである。一方、エジプトの側では「不規則な形の池」は「月」として「n」と発音することが多いようである。<br>
「g」と発音する鳥のヒエログリフは英語の「great(偉大な)」という言葉と同語源を思われるが、古代エジプトにおいて、「偉大な」という言葉は、水が「偉大なる母女神」であるという意味から、水を意味する「w」でも発音されるようである。<br>
これらのことから、本来「太陽」を示す言葉から派生した文字であっても、意味が分化していくうちに、「月」に対しても同じ言葉が用いられるようになっていったことが分かる。
 
 

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