ラプンツェルは燃やされたわけではないのだが「燃やされた女神」である。彼女が燃やされるのは、この物語の更に未来、双子の男の子の企みによるものと推察される。
これは元は「太陽女神」が隠れてこれは元は<blockquote>「太陽女神」が隠れて、王子に救出され、その際に怪我をした彼を医薬神である太陽女神が助けて二人は結婚した。</blockquote>という話だったと考える。彼女が「ちしゃ」という名前で植物として表される点は、やや彼女が「死者」として暗喩されているように思う。また、彼女が「髪を切られて荒野に放逐される」という点も、彼女の死を暗喩しているように思う。この二点のみ「吊された女神」の要素である。 怪我をした王子をラプンツェルが助ける、という点は、アリアドネが迷宮でテーセウスを助ける、というギリシア神話と相関する。テーセウスが潜った迷宮も目が見えなくなるような暗闇だったのかもしれない。 「荒野への放逐」は、太陽女神が殺されて月女神あるいは荒野(冥界)の女神に変化したことを思わせるが、物語の中では変化ははっきりとは現されない。 王子がラプンツェルのところに通う場面は、母系社会の「通い婚」を思わせる。母系社会であった頃からの伝承で起源的にはとても古いものと考える。 ギリシア神話に類話があるが、ローマ的には、塔にマールスが通って、その結果双子の息子を産んだレア・シルウィアも類話といえよう。彼女は子供を産む前に荒野に放逐されるのではなく、子供を産んだ後に牢屋に入れられて苦しむ。神話よりも、ラプンツェルの伝承の方が母系の色彩が強いと感じる。
== 外部リンク ==
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