[[ダプネー]] (Daphnē) は、テッサリアの河神[[ペーネイオス]]の娘である。大蛇ピュートーンを矢で射殺したアポローンが、帰途偶然出会った[[エロース]]と彼の持つ小さな弓を馬鹿にしたことから、エロースはアポローンへの仕返しに、黄金の矢(愛情を芽生えさせる矢)でアポローンを撃ち、鉛の矢(愛情を拒絶させる矢)でダプネーを射た。このため、アポローンはダプネーに愛情を抱いたが、ダプネーはアポローンの愛を拒絶した。
エロースの悪戯によってアポローンは彼女を奪おうと追いかけ続け、ダプネーも必死に逃げ続けた。しかし、ダプネーの体力が限界に近づき、ついには[[ペーネイオス河]]畔に追いつめられたため、ダプネーは父ペーネイオスに祈って助けを求めた。追いつめたアポローンがダプネーの腕に触れかけたとき、娘の苦痛を聞き入れたペーネイオスにより、ダプネーは月桂樹に身を変じた。エロースの悪戯によってアポローンは彼女を奪おうと追いかけ続け、ダプネーも必死に逃げ続けた。しかし、ダプネーの体力が限界に近づき、ついにはペーネイオス河畔に追いつめられたため、ダプネーは父ペーネイオスに祈って助けを求めた。追いつめたアポローンがダプネーの腕に触れかけたとき、娘の苦痛を聞き入れたペーネイオスにより、ダプネーは月桂樹に身を変じた。
失意のアポローンは「せめて私の聖樹になって欲しい」と頼むと、ダプネーは枝を揺らしてうなずき、月桂樹の葉をアポローンの頭に落とした。この故事により、デルポイの[[ピューティア大祭]]で行われる競技の優勝者には、[[月桂冠]]が与えられることになった(ダプネー {{lang|grc|Δάφνη}} は「月桂樹」という意味の普通名詞)。で行われる競技の優勝者には、月桂冠が与えられることになった(ダプネー (Δάφνη)は「月桂樹」という意味の普通名詞)。
=== カッサンドラー ===
[[カッサンドラー]] ({{lang|grc-latn|Kassandrā}Kassandr}) はトロイア王、[[プリアモス]]の娘である。アポローンはカッサンドラーの美貌に懸想し、求愛する。自分の愛を受け入れれば「百発百中の予言能力」を授けるとカッサンドラーを誘惑する。カッサンドラーはそれを受け入れ「予言能力」を手に入れるが、その瞬間「アポローンに弄ばれたあげく、捨てられる自分の運命」を予言してしまう。
カッサンドラーはすぐさまアポローンの許を去る。アポローンは怒り、「カッサンドラーの予言は誰も信じない」という呪いを掛けた。後に、ギリシア諸[[ポリス]]とトロイアとの間で[[トロイア戦争]]が起きると、カッサンドラーはトロイアの悲劇的滅亡を予言し、父王プリアモスらに警告するが、誰もそれを信じなかった。はたしてトロイアは、カッサンドラーの予言通り、アカイア人(ギリシア)との戦争に敗れ、滅亡するのである。