アラブには、シームルグに相当する霊鳥'''アンカ'''がいる。
シームルグはスラヴ神話に取り込まれ、'''セマルグル'''という神になり、ウラジーミル1世がキエフの丘に置いた6体の神像の1体としても祀られた。キエフやリャザンで見つかった、12世紀から13世紀頃のものと考えられている銀製の腕輪には、鳥と動物の要素の入り交じった外見の生き物が彫刻されたものがあるが、一部の研究者はその生き物をセマルグルだと考えている。その生き物は、古代ペルシアで作られた金製または銀製の皿に彫刻されたシームルグに似ている<ref>ワーナー伊藤 (2002)では'''セマルグル'''。中堀 (2014) では'''セマールグル'''。ワーナー, エリザベス斎藤訳 (2004)では '''シマリグル'''。清水 (1995)では'''シマルィグル'''。</ref>(Semargl, 斎藤静代訳Симаргл, ロシアの神話Семаргл、または'''シマルグル''' (Simargl))は、スラヴ神話の神である。グリフォンに似た姿で表現されている<ref>中堀 (2014), 丸善p.300.</ref>。 セマルグルの名前は、アヴェスター語やパフラヴィー語、ペルシア語で「聖なる鳥」を意味する単語に由来している。ウラジーミル1世の、キリスト教導入以前の宗教政策において、スラヴ外から持ち込まれた神であり、その起源はイラン神話に登場するシームルグである。キエフや[[リャザン]]で見つかった、12世紀から13世紀頃のものと考えられている銀製の腕輪には、体が鳥と動物の要素の入り交じった生き物が彫刻されたものがあるが、一部の研究者はその生き物をセマルグルだと考えている。その生き物は、古代ペルシアで作られた金製または銀製の皿に彫刻されたシームルグに似ている<ref name="ワーナーp22">[[#ワーナー, 丸善ブックス 101斎藤訳 (2004)|ワーナー, 斎藤訳 (2004-02)]], page=p.22.</ref>。 キエフの丘に祀られた神々の1柱であり<ref>[[#清水 (1995)|清水 (1995)]], isbnp.49.</ref>、しばしば女神[[モコシ]]と関連付けられている。つまり、大女神に寄り添いその守護者でもある聖獣の類であるとか、大女神が「畑」に撒いた種子を神格化したものであるなどといわれ{{要出典|date=978-4-621-06101-52015年11月21日 (土) 13:27 (UTC)}}、農耕と植物の生育にかかわる神だとされる<ref name="ワーナーp22" />。一方、寒気と霜の神という説もある<ref>[[#清水 (1995)|清水 (1995)]], p.47.</ref>。 これとは逆にその名を「七つの頭」と解して、[[ペルーン]]・[[ダジボーグ]]・[[モコシ]]・[[ストリボーグ]]・[[ホルス (スラヴ神話)|ホルス]]などの7柱の神を統合させた存在であるとする説もある<ref>[[#伊藤 (2002)|伊藤 (2002)]], p.54.</ref>。
== 脚注 ==