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なお、イスファンディヤールは、イランと隣国トゥーラーンとの戦争の際、トゥーラーン王のいる「青銅の城」へ攻め込む途中で7つの艱難を攻略している。その艱難の1つはシームルグとの戦いであった<ref>フェルドウスィー,岡田訳 (1999)、306頁。</ref>が、ここでのシームルグはザールを育てたシームルグとは別の、邪悪な鳥だとされている。イスファンディヤールは策略をもってシームルグを倒し<ref>奥西は訳註において、イスファンディヤールと敵対しているロスタムを守るシームルグは、イスファンディヤールから見れば敵となることから、善と悪の2羽のシームルグがいるとするヘダーヤトの説明に異議を述べている。</ref><ref>ヘダーヤト,奥西訳註 (1999)、320頁(訳註68)。</ref><ref>ヘダーヤト,奥西訳註 (1999)、313頁。</ref><ref>カーティス,薩摩訳 (2002)、90-91頁。</ref>、剣でその体をバラバラにしたところ、飛び散った羽根が山々の間の平野を埋めたという。
=== 伝播 ===
アラブには、シームルグに相当する霊鳥'''アンカ'''がいる。
[[アラビア半島|アラブ]]には、シームルグに相当する霊鳥シームルグはスラヴ神話に取り込まれ、'''アンカ'''がいる<ref name="ローズp214" />。 シームルグは[[スラヴ神話]]に取り込まれ、'''[[セマルグル]]'''という神になり、[[ウラジーミル1世]]が[[キエフ大公国|キエフ]]の丘に置いた6体の神像の1体としても祀られた。キエフや[[リャザン]]で見つかった、12世紀から13世紀頃のものと考えられている銀製の腕輪には、鳥と動物の要素の入り交じった外見の生き物が彫刻されたものがあるが、一部の研究者はその生き物をセマルグルだと考えている。その生き物は、古代ペルシアで作られた金製または銀製の皿に彫刻されたシームルグに似ているという神になり、ウラジーミル1世がキエフの丘に置いた6体の神像の1体としても祀られた。キエフやリャザンで見つかった、12世紀から13世紀頃のものと考えられている銀製の腕輪には、鳥と動物の要素の入り交じった外見の生き物が彫刻されたものがあるが、一部の研究者はその生き物をセマルグルだと考えている。その生き物は、古代ペルシアで作られた金製または銀製の皿に彫刻されたシームルグに似ている<ref>{{Cite book|和書|last=ワーナー |first=, エリザベス |others=, 斎藤静代訳 |title=, ロシアの神話 |publisher=[[, 丸善]] |series=, 丸善ブックス 101 |date=, 2004-02 |, page=22 |, isbn=978-4-621-06101-5 }}</ref>。
== 脚注 ==

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