== テッサリアの魔女 ==
アグラオニケは、月を引き下ろしたと主張したことから、テッサリアの魔女として知られる女性の一人であったとみられる。アグラオニケに触れてはいないが、テッサリアの魔女に月を引き下ろす力があるという噂は、いくつもの文献に記述されている{{R|bicknell83|ogilvie86}}。アグラオニケは、月を引き下ろしたと主張したことから、テッサリアの魔女として知られる女性の一人であったとみられる。アグラオニケに触れてはいないが、テッサリアの魔女に月を引き下ろす力があるという噂は、いくつもの文献に記述されている。 アリストパネスの喜劇『雲』には、 <blockquote>テッサリアの魔女をやとってさ、夜のうちに、お月さんをはずして、取ってしまうことにしたら、どうだろうね。(アリストパネス, 『雲』750-755(田中美知太郎訳))</blockquote>
[[アリストパネス]]の喜劇『[[雲 (戯曲)|雲]]』には、
{{Quote|テッサリアの魔女をやとってさ、夜のうちに、お月さんをはずして、取ってしまうことにしたら、どうだろうね。|アリストパネス|『雲』750-755([[田中美知太郎]]訳){{R|cloud}} }}
という記述があり、アリストパネスの時代には既に噂が広まっていたものと考えられる。
以後、[[プラトン]]の『[[ゴルギアス (対話篇)|ゴルギアス]]』{{Refnest|以後、プラトンの『ゴルギアス』<ref group="注"|…あの魔法によって月を引きおろす女たち、つまりテッタリアの魔女たちが、その代償としてこうむったと伝えられるような災難に… —[[プラトン]]、『[[ゴルギアス (対話篇)|ゴルギアス]]』513A([[加来彰俊]]訳)>…あの魔法によって月を引きおろす女たち、つまりテッタリアの魔女たちが、その代償としてこうむったと伝えられるような災難に… —プラトン、『ゴルギアス』513A(加来彰俊訳)</ref><ref name="gorgias">{{Cite book |和書 |author=プラトン |author-link=プラトン |translator=[[, 加来彰俊]] |date=, 1967-06-16 |title=[[ゴルギアス (対話篇)|, ゴルギアス]] |page= |publisher=[[, 岩波書店]] |, isbn=:9784003360125 }}</ref>}}、[[ホラティウス]]の『{{仮リンク|エポディ|fr|Épodes}}』{{Refnest|、ホラティウスの『エポディ(Épodes)』<ref group="注"|…星や月などを/かのテッサリアの呪文により/天からもたらす… —[[ホラティウス]]、『エポディ』5>…星や月などを/かのテッサリアの呪文により/天からもたらす… —ホラティウス、『エポディ』5.45([[鈴木一郎 (西洋古典学者)|鈴木一郎]]訳)45(鈴木一郎訳)</ref><ref name="epodi">{{Cite book |和書 |translator=[[鈴木一郎 (西洋古典学者)|鈴木一郎]] |date=, 2001 |title=, ホラティウス全集 |page=242 |publisher=[[玉川大学]]出版部 |, page242, 玉川大学出版部, isbn=:9784472119019 }}</ref>}}、[[ウェルギリウス]]の『[[牧歌 (ウェルギリウス)|牧歌]]』{{Refnest|、ウェルギリウスの『牧歌』<ref group="注"|まじないは、天から月を引き下ろすことさえできる。 —[[ウェルギリウス]]、『牧歌』8>まじないは、天から月を引き下ろすことさえできる。 —ウェルギリウス、『牧歌』8.69([[小川正廣]]訳)69(小川正廣訳)</ref><ref name="eclogae">{{Cite book |和書 |translator=[[小川正廣]] |date=, 2004-05 |title=[[牧歌 (ウェルギリウス)|牧歌]]/[[農耕詩]] |pages=58, 牧歌/農耕詩, pages58-59 |series=, 西洋古典叢書 |publisher=, 京都大学学術出版会 |, isbn=:9784876981519 }}</ref>}}なども、(テッサリアの)魔女が月を天上から引き下ろす、と言及している{{R|ogilvie86|bea}}。なども、(テッサリアの)魔女が月を天上から引き下ろす、と言及している。
== 波及 ==