ということは朱蒙は檀君と同様、日本神話のニニギに相当するといえる。植物神としての性質は檀君よりも更に乏しい。現実的・具体的な「征服神」としての性質が強調されている。檀君神話、朱蒙神話、日本神話の原型は共通の先祖が中国東北部にいた時に作られたもので、それが各地に伝播してそれぞれに分化したものと考える。
その一方で、朱蒙は夫余の王子達と対立して拠点を移す点は、日本神話の大国主と共通する要素でもある。朱蒙の母の柳花夫人が河伯の娘であるのに対し、大国主命は須佐之男の娘である須勢理姫を妻としている。母や妻といった母系の権威が大きい点も特徴と言える。そもそも大国主命とは出雲族の英雄神に、北東アジアの「祖神」としての要素を付け加えた神であるのだろうか。
== 参考文献 ==