'''那富乃夜神社'''(なふのやじんじゃ)は島根県島根県松江市八雲町東岩坂にある神社。星上山(ほしかみやま)の山頂にあり、近隣に星上寺がある。
出雲風土記に記載された那富乃夜社(なほのやのやしろ)である。主祭神:経津主命、武甕槌命、星神加々背尾命。配祀神:誉田別命、姫大神、稲倉魂大神、妙見社。境内社:稲荷神社、穀木(かじき)神社。出雲風土記意宇郡に記載された那富乃夜社(なほのやのやしろ)である。主祭神:経津主命、武甕槌命、星神加々背尾命。配祀神:誉田別命、姫大神、稲倉魂大神、妙見社。境内社:稲荷神社、穀木(かじき)神社。 穀木(かじき)神社の祭神には「天日高」と見える<ref>[https://flat-shrine-shimane.localinfo.jp/posts/32584972/ 那富乃夜(なほのや)神社]、ふらっと神社 島根編(最終閲覧日:25-01-08)</ref>。天津日高日子番能邇邇芸能命(あまつひこひこほのににぎのみこと)あるいは、天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこ ひこ なぎさたけ うがやふきあえず の みこと)のことか。
== 概要 ==
とのことである。
穀木(かじき)神社の祭神には「天日高」と見える。天津日高日子番能邇邇芸能命(あまつひこひこほのににぎのみこと)あるいは、天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこ ひこ なぎさたけ うがやふきあえず の みこと)のことか。
== 由緒 ==
== 私的考察 ==
管理人は島根県には行ったことがないので、地図を眺めながらの感想だが、出雲は宍道湖の南に星神信仰が目立つように思う。そして、那富乃夜神社はおそらく当初期から祭神が入れ替わっているように感じる。
これについては「星の池」の霊性に理由がある。出雲では「'''池の清濁によって吉凶が占われた'''」とあるが、丹後よりも東では「'''雨乞いの際に池の底をつついて水を濁す'''」という祭祀が目立つ。これは、池を女神に見立てた、一種の「聖婚儀礼(ヒエロス・ガモス)」と考える。池を女神として、そこを竿でつついて「水を濁す」というのは男女の交わりを指すのではないだろうか。とすれば「'''池の清濁'''」に関する祭祀や思想は広く「池の神が'''女神'''である。」という暗黙の了解の上に成り立っているものと解せるのではないか。ともかく「池の水が濁る」とは、良くも悪くも「水が多くなる」兆候のようである。
丹後であれば、このような池には「天女」たちが降りてくる、という伝承がありそうである。出雲では「星神」が降りてくる、とされている。これは丹後における「'''天女'''」とは、出雲における'''北斗女神達'''のことを指す、といえるのではないか。
また、「星の池」の霊性には「無病息災」という性質があり、これは池が単なる「水源」ではないことを意味する。石上神宮には「布瑠の言」と呼ばれ蘇生さえも行うという祝詞が伝わっている。この祝詞の象徴は'''十種神宝'''というアイテムで、その神霊は'''布留御魂大神'''(ふるのみたまのおおかみ)だと言われている。これは神宮の脇を流れる布留川の精霊神も兼ねると思われる。石上神宮は古代、女性が神職を務めたとされる例があり、古くは布留御魂を鎮魂するために女巫を用いた、とのことなので布留御魂大神とは本来女神だったのではないか、と管理人は考える。布留川の女神にも「無病息災」に通じる性質があったのであれば、「星の池」の神霊も女神だったのではないだろうか。那富乃夜神社には経津主命も祀られており、物部氏系の氏族の痕跡も感じられるように思う。また、境内社の穀木神社も、出雲であれば本来は[[天甕津日女命|天御梶日女命]]が祭神であってもおかしくないのではないかと考える。
'''十種神宝'''は『先代旧事本紀』に「天神御祖(あまつかみみおや)から授けられた」とされている。'''天神御祖'''とは
<blockquote>「昔我が天神(あまのかみ)'''[[高皇産霊尊]]'''・'''大日霊尊'''、此の豊葦原瑞穂国を挙(のたまひあ)げて、我が天祖(アマツミヲヤ)彦火瓊々杵尊に授(さづ)けたまへり」(出典:日本書紀(720)神武即位前(熱田本訓))<ref>[https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A9%E3%81%A4%E5%BE%A1%E7%A5%96-198491 天つ御祖]、コトバンク(最終閲覧日:25-01-09)</ref></blockquote>
とあり、[[高皇産霊尊]]、[[天照大御神]]といった皇祖神のことを指す。その霊力が女神に属するものであれば、これは[[天照大御神]]の霊力ともいえ、'''布留御魂大神'''とは「'''[[天照大御神]]であり、かつ水神である女神'''」ということになると考える。これが「星の池」の神霊と性質が一致するのであれば、この女神は更に
'''[[天照大御神]]であり、かつ星神(北斗女神)であり、かつ水神である女神'''
ということになるのではないだろうか。出雲の内でいえば、星神社(島根県安来市清水町)の'''富能加比売命'''と近似した女神と考える。那富乃夜神社の本来の祭神はこのような女神だったのではないだろうか。
== 参考文献 ==
* [https://www.butsudannoharada.com/temple/2011/10/post-22.html 星上寺]、日本の美しい心・仏壇の原田(最終閲覧日:25-01-08)
* [https://flat-shrine-shimane.localinfo.jp/posts/32584972/ 那富乃夜(なほのや)神社]、ふらっと神社 島根編(最終閲覧日:25-01-08)
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E7%A8%AE%E7%A5%9E%E5%AE%9D 十種神宝](最終閲覧日:25-01-09)
== 関連項目 ==
* [[天照大御神]]* [[肥長比売]]:本来の祭神は、この女神に類似した女神だったと考える。* [[秋鹿神社]]:近傍にある高祖寺奥の院大日堂に、星上寺に関する伝承がある。
== 脚注 ==
{{DEFAULTSORT:あいかしんしやなふのやしんしや}}
[[Category:日本神話]]
[[Category:神社]]
[[Category:星神]]
[[Category:水神]]
[[Category:太陽神]]