鳴弦の儀
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鳴弦の儀(めいげんのぎ)は、弓を使用した日本の儀礼のひとつ。弦打の儀(つるうちのぎ)とも呼ばれる。
概要
弓に矢をつがえずに弦を引き、音を鳴らすことにより気を祓う魔除けの[1]儀礼。魔気・邪気を祓うことを目的とする。後世には高い音の出る鏑]を用いて射る儀礼に発展した。鏑矢を用いた儀礼は蟇目の儀(ひきめのぎ)と呼ばれる。
入浴、病気、出産、雷鳴などの際に、その発する音によって妖怪(ようかい)、悪魔を驚かし、邪気、穢(けがれ)を祓(はら)うものである。天皇の入浴の際には蔵人(くろうど)が御湯殿(おゆどの)の外に候(こう)して行い、滝口の武士の名対面(なだいめん)の際にも行われたが、皇子誕生の際の鳴弦はもっとも盛んであり、のちには貴族社会より波及して、鎌倉・室町幕府将軍家の子女誕生のおりなどにも行われた。
起源
鳴弦の儀が始まったのは平安時代と言われる。元々は誕生儀礼として始まり、次第に夜間の警鐘及び滝口武者の名対面の時、天皇の日常の入浴時(蔵人が担当する)、主の病気祓い、不吉な出来事が起こった際など幅広く行われるようになった。
参考文献
関連項目
- 源氏物語 - 夕顔の死に際して光源氏が鳴弦の儀を命じる場面が登場する。
- 読書鳴弦の儀 - 皇子・皇女誕生後の御湯殿の儀式で、漢籍等を読む読書の儀とともに鳴弦を行う儀式。現在の皇室でも行われている。
- 鎌倉殿の13人(NHK大河ドラマ)- 源頼朝の長男万寿(のちの源頼家)の誕生に際して、上総広常が鳴弦の儀を行う場面が描かれた。
- 北条時宗 (NHK大河ドラマ) - 鎌倉幕府の要人が相次いで死亡したため、将軍以下大勢で弓弦を鳴らして歩くという場面が描かれた。
- 寄絃
参照
- ↑ ここの表現を「退魔」としている文献等もあるようであるが、「退魔」という語が日本語において近代以前に一般的であったとみなせるような証拠はない。