;日本書紀
『日本書紀』では『日本書紀』では神産みの第九の一書に登場する。『古事記』と同様に、[[神産み#日本書紀|神産み伊邪那岐命]]の第九の一書に登場する。『古事記』と同様に、イザナギ命は[[黄泉の国]]で8柱の雷公に追われる。その時、道端に桃の樹があり、その樹の下に隠れて桃の実を採って投げつけると、雷公は退走していった。これが、桃を用いて鬼を避ける由縁であると記されている。は黄泉の国で8柱の雷公に追われる。その時、道端に桃の樹があり、その樹の下に隠れて桃の実を採って投げつけると、雷公は退走していった。これが、桃を用いて鬼を避ける由縁であると記されている。
== 信仰 ==
桃は中国では仙木とも呼ばれ、邪気を払う呪力があると考えられていた。元旦に飲む桃湯は邪気を退け、桃膠(桃の木のヤニ)から作られる仙薬は、万病に効くとされていた<ref>志水義夫 「桃の呪力」『日本神話辞典』 大和書房 1997年。志水義夫「桃の呪力」『日本神話辞典』 大和書房 1997年。</ref>。また、桃弓と棘矢が除災の儀礼に用いられていた。
平成22年、奈良県の[[纒向遺跡]](まきむく)で3世紀前半と推測される土坑から、2千個以上の桃の種が出土した。祭祀に使われたものとされ、この頃には日本にも、桃に対する信仰が伝来していたと考えられる平成22年、奈良県の纒向遺跡(まきむく)で3世紀前半と推測される土坑から、2千個以上の桃の種が出土した。祭祀に使われたものとされ、この頃には日本にも、桃に対する信仰が伝来していたと考えられる<ref>岡部隆志 「オホカムヅミ」『歴史読本』 新人物往来社 2011年11月号。</ref>。平安時代になると、[[追儺]](ついな、節分の起源)で鬼を追うための桃弓や桃杖が使われ、正月には桃の木片で、卯槌(うづち)というお守りが作られた<ref>志水 前掲項目。</ref>。
室町中期には「[[桃太郎]]」の説話が成立するが、これは桃が不老長寿の仙果で、邪鬼を払う呪力があったことに関係するといわれる。[[雛祭り]]も「桃の節句」と呼ばれるように、桃の花を飾り、桃酒を飲む風習が見られ、桃の厄災を払う力に係わる祭りとなっている<ref name="#1">岡部 前掲論文。</ref>。これらの説話や行事は、現在にも伝えられている。
=== オオカムヅミを祀る神社 意富加牟豆美命を祀る神社 ===* 賀茂神社(徳島県阿波市)賀茂神社(徳島県'''阿波'''市)
: 本物の桃が入った「桃の実のお守り」を授与している。年に3個分の桃の実を祈祷し、砕いて分けているので数に限りがある<ref>[http://www.fm807.jp/program/furusato/awa/?category=awa&id=4171&ym=201203&group=v/ FM徳島] 平成24年11月8日閲覧。</ref>。
* 赤國神社(京都府綾部市)
: 境内社
* 行田八幡神社(埼玉県行田市)
:[[境内社]]で「なで桃」を祀っている。なでると厄災消除になるという。桃の[[絵馬]]も授与している。境内社で「なで桃」を祀っている。なでると厄災消除になるという。桃の絵馬も授与している。*[[熊野神社 (多摩市)|熊野神社]] (東京都[[多摩市]])熊野神社(東京都多摩市)
:桃との関係は特にないようだが、災いを払う力そのものがオオカムヅミが祀られる理由と思われる<ref name="#1"/>。
*[[多伎藝神社]](島根県[[出雲市]])