「黄帝型神」の版間の差分
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2024年12月5日 (木) 15:45時点における最新版
黄帝型女神(こうていがたかみ)とは、神話・伝承の中に登場する男神のうち、中国の神である黄帝に類似した性質を持つものを指すこととする。黄帝型神は伝説の黄帝に、それぞれの時代背景や政治的思惑から生じたと思われる様々なイメージが付加されて生じた性質の総称である。古代中国に黄帝に相当する人物がもし仮に存在していたとしても、その性質を必ずしも投影したものではない、といえる。
- (水)雷神、という場合:神話的な黄帝といえば炎帝や蚩尤といった「火」の神々と戦って勝利した神であ。また「雷の精の子」という伝承があり、「水神」に関した雷神、天候神。ただし、伏羲・女媧神話では雷神と対立する場合がある。その場合、雷神は「火」をもたらす性質が強い、と感じる。日本神話では「雷神」は全般に「黄帝型神」となる。
- 食人を忌避する神
- 軍神:「炎帝・蚩尤と戦った」という逸話を持つのだから、軍神としての性質がある。
- 女神の支援を受けて勝利する神あるいは英雄である場合:特に「女神に蘇生して貰った」と類する逸話が付加されたもの。物語の最後が「結婚」で終わる場合。
- 女神の支援を受けて勝利する神あるいは英雄である場合:特に「女神に蘇生して貰った」と類する逸話が付加されたもの。物語の最後が「結婚」に関して不成功で終わる場合。
- 女神の支援を受けて勝利する神:上記以外の場合
- 射日神話に関する英雄
- 招日神話に関する英雄
- その他勝利する神:上記以外の場合。
- 犠牲神:黄帝的な神が人身御供にされてしまう場合。あるいは殺されて、水に関するものに変化する場合。
- 祖神:なにがしかの犠牲を伴いながら祖神とされる場合。
- 悪神:人々に迷惑をかけるような水神である場合。
- 倒される神:悪神である結果倒されてしまう場合。
- その他
黄帝から派生した神で重要なもの[編集]
管理人が黄帝から派生した神であって、黄帝を知るために重要な神と考える群。
- 羿:黄帝と同様弓の名手である。
- 伏羲:蛇神の姿を持つが、悪神とまではされていない神。兄妹婚姻譚を持つので、純粋な黄帝型神とは言いがたい。兄妹婚姻譚はバビロニア的な母系文化の特徴なので、むしろ炎帝型神の特徴といえる。蛇形に変換された上に、炎帝型神の設定を付け加えられてしまった黄帝が伏羲だと言えると考える。
- 共工:悪い水の神とされてしまった黄帝の姿である。
- 河伯:人身御供を求める悪い水神。
- ヴァルナ:炎黄の対立神話は印欧語族に取り込まれて、アスラ(水神)対デーヴァ(火神)という彼らの壮大な神話群の元となった。ヴァルナはアスラの筆頭である。
- ペルーン:スラヴ神話の主神
- ベーオウルフ:「水」の名を持つブリテンの英雄。グレンデル(火のデーヴァ)という名の巨人を倒す。
- パパイオス:スキタイの主神。おそらくヴァルナ系の神。
- テーセウス:ギリシャ神話で、人身御供を禁止するため、ミーノータウロス(火の牛)と戦う青年。本来は水雷神としての性質もあったのかもしれない。妻のパイドラの名と併せて「ディヤウス・ピター」と同語源だと思う管理人である。ディヤウスというのは雷神を意味している。
- オルペウス:名前はパパイオスに似る。ギリシア神話で冥界に妻を迎えにいった楽人。伊邪那岐神と似て失敗するパターン。軍神としての性質はなく、楽神で文化英雄といえる。黄帝に古琴の発明者との伝承があるのでこの項に入れる。
- ペルセウス:ペルセウスは全体に見て、悪しき蛇神を倒すことが多くヴァーユに近い神だと思うので本当は黄帝型神に入れるべきではないと思う。名前が水神系の名なことと、アンドロメダーを助けた点などのみ、黄帝型神といえると考える。アトラースを石に変える点にも黄帝の面影が残っているように感じる。
- アレース:ギリシア神話の軍神。トーテムが雄鶏である点が黄帝と一致している。破壊神的な性質を持つ。
- エスス:ガリアの神。世界樹を管理する神、といえる。医薬神としての性質も持つ。
- シヴァ:インド神話の破壊と再生の神。火神アグニに近い性質も持つ。破壊性の高い軍神の場合は、黄帝と祝融が融合した神といえると考える。蛇神的な性質を持つ点は黄帝と一致している。
- アジ・ダハーカ(イラン)、タクシャカ(インド):それぞれ、ジャムシード王、ジャナメージャヤ王という似た名前の王と戦う悪神属性の蛇神である。倒される王の名は「m」という子音が入り、「火」を意味すると考える。どちらもテーセウスと同系統の名だと考えるのだけれども、地理的に中国に近くなるほど共工的な悪神となっていくのが興味深い。おそらく遠方に伝播したものほど古い伝承が残されているのではないだろうか。
- 建御名方命:日本で軍神であり、水神である神の筆頭といえばこの神である。人身御供を禁止した、という逸話も持つ。というか、この神が日本のヴァルナなのでは、と思う。地元の神様なのだから、管理人にとっては名前を挙げないでどうするのか、という神である。火雷神系の建御雷神と戦ったという逸話があるが、負けた、とされている。
- 大国主神:黄帝から軍神と水神の性質を抜いて、人食いを復活させた、みたいな印象を受ける神。建御名方命の父神とされる。「月の女神」のトーテムである兎に親切にする伝承があるので、一応こちらも黄帝型の神とする。こちらも建御雷神と戦い負けた、とされている。日本では、火雷神系の祖神を持つ氏族が優位なので、水神系の神々は子孫の勢力に合わせて「敗者」の側に追いやられている感がある。
- 八束水臣津野命:出雲系の水神であり、力持ちの神。ヴァルナの化身と思われる神々は出雲系に集中しているのが日本神話の特徴と考える。
- 伊邪那岐神:妻が焼け死んでいること、伊邪那岐神も一応冥界に行っていることから、その点で黄帝型神といえる。黄帝型神とは言いがたい特徴もかなり持つ。妻を焼き殺した火之迦具土神を伊邪那岐神が殺したことになっている。
- 天之手力男神:岩戸隠れの際は岩戸の脇に控えており、アマテラスが岩戸から顔をのぞかせた時、アマテラスを引きずり出して(『日本書紀』の一書や『古語拾遺』では「引き開けて」)、それにより世界に明るさが戻った、とされる神[1]。日本の「招日神話」の主役と言える。「手力」とは「田力」とも読み替えられ、単に「男」という字を分解しただけの名な神。鶏雷神の方が情緒があって良かった、と思うのは管理人だけだろうか。
- 天若日子:日本の羿といえる気の毒な若者神。古い時代の「建御名方命の妻と思われる女神」と、妻の名が同じ神。建御名方命の別形態ともいえると考える。