== 仏教の鬼 ==
* 生前に貪欲であった者は、死後に[[餓鬼道]]に落ち、生前に貪欲であった者は、死後に餓鬼道に落ち、[[餓鬼]]になるとされている(小泉八雲「[[食人鬼 になるとされている(小泉八雲「食人鬼 (小説)]]」)。* [[地獄]]で[[閻魔]]の配下として、鬼が[[獄卒]]の役を務めているとされる(地獄で閻魔の配下として、鬼が獄卒の役を務めているとされる([[牛頭馬頭]]、[[阿傍羅刹]])。* 時に民俗芸能においては、先祖の祖霊を鬼と捉える事があり、盆や正月に鬼を招く祭礼が各地で行われている([[国東半島]]の[[修正鬼会]]、三河の[[花祭(霜月神楽)]]など)。時に民俗芸能においては、先祖の祖霊を鬼と捉える事があり、盆や正月に鬼を招く祭礼が各地で行われている(国東半島の修正鬼会、三河の花祭(霜月神楽)など)。
== 人と鬼 ==
人に化けて、人を襲う鬼の話が伝わる一方で、憎しみや嫉妬の念が満ちて人が鬼に変化したとする話もある。代表的な例としては、[[能]]の「[[鉄輪]]」や「[[紅葉狩 (能)|紅葉狩]]」に、嫉妬心から鬼と化した女性の話が伝わっている。「[[般若の面]]」はその典型である。人に化けて、人を襲う鬼の話が伝わる一方で、憎しみや嫉妬の念が満ちて人が鬼に変化したとする話もある。代表的な例としては、能の「鉄輪」や「紅葉狩」に、嫉妬心から鬼と化した女性の話が伝わっている。「般若の面」はその典型である。
『[[梁塵秘抄]]』(平安時代末期に成立)には、女が男を呪った歌として、「〜角三つ生ひたる鬼になれ〜」と記されており『梁塵秘抄』(平安時代末期に成立)には、女が男を呪った歌として、「〜角三つ生ひたる鬼になれ〜」と記されており<ref>西郷信綱 『梁塵秘抄』 ちくま学芸文庫 初版2004年(元は筑摩書房で1976年発刊) ISBN 4-480-08881-4</ref>、このことから12世紀末時点で、人を呪いで鬼にしようとしたこと、また、頭に角が生えた鬼といったイメージが確立していたことが分かる。これは自発的に鬼になる事例とは異なり、相手を鬼にしようとした例と言える。
[[修験道]]の[[役行者]]の使い鬼である[[前鬼・後鬼]]は、共にその子孫が人間として、その名の村(前鬼村。現・[[下北山村]])を構えている。仏教でも似た例はあり、[[比叡山]]の八瀬の村の伝承には、村の祖先は「我がたつ杣({{small|そま}})」の始めに、伝教大師([[最澄]])に使われた鬼の後裔であると称している(※[[八瀬童子]]も参照のこと)。このように、宗教界の偉人の使い鬼を先祖とする例が散見される。[[折口信夫]]の解釈では、八瀬の伝承は、本来、鬼ではなく、神であり、仏教を受け入れたことによる変化としている<ref>『古代研究II 民俗学篇2』 折口信夫 解説 池田弥三郎 [[角川文庫]] 1975年 p.47</ref>。