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珍しい事例として、『[[今昔物語集]]』巻20第7に記された話には、[[藤原明子 (染殿后)|藤原明子]]の物の怪を祓った縁から親しく交際するようになった大和国葛木[[金剛山 (金剛山地)|金剛山]]の聖(ひじり=僧侶、信濃国の山中出身で肌は赤銅色)が、のちに暗殺者の追手を逃れ、崖から転落しながらも生き延び、再会した時に「聖の道を捨て、恋愛の鬼となった」と語る場面がある。鬼の容姿は裸で頭は禿頭、身長は8尺、肌は漆を塗ったかのように真っ黒で、目はまるで金属製の御椀が入っているかのよう、大きな口には鋭い歯と牙、赤い褌を締めて腰には槌を指していたという{{sfn|小山聡子|2020|p=158}}。山賊のような凶悪な存在ではないが、朝廷で無用者扱いを受けて、鬼(または、[[天狗]])扱いをされ、聖自身も恋愛の鬼となったと悟る。鬼であると自他共に認めてしまうが、藤原明子が没する晩年まで交際を続けた。朝廷にとって不都合な存在を鬼とする一事例といえる話である。
 
 
== 正体 ==
=== 金工師説 ===
鬼の正体が[[金工]]師であるとの説がある。金工師とは古くの[[鉱山]]採掘や金属精錬、金属製品生産など、金属に関する事業に携わっていた人達である。若尾五雄はこの鬼=金工師説の提唱者で、1981年に『鬼伝説の研究』鬼の正体が金工師であるとの説がある。金工師とは古くの鉱山採掘や金属精錬、金属製品生産など、金属に関する事業に携わっていた人達である。若尾五雄はこの鬼=金工師説の提唱者で、1981年に『鬼伝説の研究』<ref>若尾五雄『鬼伝説の研究』大和書房、1981年。後に『日本民俗文化資料集成』第8巻(妖怪) 谷川健一 編、三一書房、1988年、『民衆史の遺産』第2巻(鬼) 谷川健一、大和岩雄 編、大和書房、2012年、ISBN 978-4-479-86102-7、に収録。</ref> でこの説をまとめたものを発表した。この説の中で若尾は、日本各地の鬼伝説地が同時に鉱山地でもある場合が多数あることを指摘し、また伝説中の鬼が、その話中で金工に密接に結び付いている例も少なくないことも指摘し(※実際に伝説中で金工師らしい例もあった)、鬼が金工師であったのではないかとの説を唱えた。若尾のこの説に対しては、当時、反発や懐疑的意見もあったが<ref group="*">若尾の同書に述べられている。</ref>、上記書が発表された後、この説に同調する論考が増えている{{sfn|<ref>村上政市|, 1997|p=12}}, p12</ref>
=== 蝦夷説 ===
朝廷に抵抗した[[蝦夷]]は鬼と呼ばれていたとされる朝廷に抵抗した蝦夷は鬼と呼ばれていたとされる<ref name="金髪碧眼">{{Cite book|和書|author=中村昻|title=, 金髪碧眼の鬼達|publisher=, JDC出版|date=, 2015|chapter=, 第六章 第二節|, isbn=:978-4-89008-536-1}}</ref>。
蝦夷征討のために[[坂上田村麻呂]]が遠征した[[東北地方]]には、神仏の加護で鬼を退治したという伝説(蝦夷征討のために坂上田村麻呂が遠征した東北地方には、神仏の加護で鬼を退治したという伝説([[坂上田村麻呂伝説]])が多く残されている。蝦夷の首長として名前が残る[[大武丸]]は鬼であるという伝説がある<ref>{{Cite book|edition=Shohan|title=, Okujōruri "Tamura sandaiki" kō : Tōhoku no Tamura-gatari : seisei to denshō|url=, https://www.worldcat.org/oclc/54917236|publisher=, Miyai Shoten|date=, Heisei 16 [2004]|location=, Tōkyō|, isbn=:4-8382-9063-2|, oclc=:54917236|first=Mikio|last=Abe|last2=, 阿部幹男}}</ref>。
=== 白人説 ===

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