「神産巣日神」の版間の差分

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== 記述 ==
 
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[[天地開闢 (日本神話)|天地開闢]]の時、[[天之御中主神]](あめのみなかぬし)・[[高御産巣日神]](たかみむすび)の次に[[高天原]]に出現し、[[造化三神|造化の三神]]の一柱とされる。冒頭の記述では性のない[[独神]]とされているが、御祖神という記述、[[大国主神]]が[[八十神]]らによって殺されたとき、大国主神の母の[[刺国若比売]]が神産巣日神に願い出て、遣わされた[[キサガイヒメ・ウムギヒメ|𧏛貝比売と蛤貝比売]]が「母の乳汁」を塗って治癒したことから[[女神]]であるともされる{{sfn|三浦|2016|pp=161-177}}
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[[天地開闢 (日本神話)|天地開闢]]の時、[[天之御中主神]](あめのみなかぬし)・[[高御産巣日神]](たかみむすび)の次に[[高天原]]に出現し、[[造化三神・神世七代他|造化の三神]]の一柱とされる。冒頭の記述では性のない独神とされているが、御祖神という記述、[[大国主神]]が[[八十神]]らによって殺されたとき、大国主神の母の[[刺国若比売]]が神産巣日神に願い出て、遣わされた[[キサガイヒメ・ウムギヒメ|𧏛貝比売と蛤貝比売]]が「母の乳汁」を塗って治癒したことから'''[[女神]]'''であるともされる<ref>三浦, 2016, pp161-177</ref>
  
『古事記』で語られる神産巣日神は[[高天原]]に座して出雲系の神々を援助する祖神的存在であり、他の神々からは「御祖(みおや)」と呼ばれている{{sfn|三浦|2016|pp=161-177}}。[[須佐之男命]]が[[大気都比売神]]を殺したとき、その死体から五穀が生まれ、神産巣日神がそれを回収したとされる。
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『古事記』で語られる神産巣日神は[[高天原]]に座して出雲系の神々を援助する祖神的存在であり、他の神々からは「御祖(みおや)」と呼ばれている<ref>三浦, 2016, pp161-177</ref>。[[須佐之男命]]が[[大宜都比売|大気都比売神]]を殺したとき、その死体から五穀が生まれ、神産巣日神がそれを回収したとされる。
  
『日本書紀』では出雲系の神々が語られないため、カミムスビは[[タカミムスビ]]の対偶神として存在するのみで特にエピソードは無い{{sfn|三浦|2016|pp=161-177}}
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『日本書紀』では出雲系の神々が語られないため、カミムスビは[[高御産巣日神]]の対偶神として存在するのみで特にエピソードは無い<ref>三浦, 2016, pp161-177</ref>
  
『出雲国風土記』では[[島根半島]]の地名起源譚に登場する、土地神たちの御祖として「神魂命」の名が現れる。キサカヒメ・ウムカヒメなど土地神たちの多くは女性神であり、[[母系]]社会の系譜上の母神として存在したと考えられる{{sfn|三浦|2016|pp=161-177}}
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『出雲国風土記』では島根半島の地名起源譚に登場する、土地神たちの御祖として「神魂命」の名が現れる。キサカヒメ・ウムカヒメなど土地神たちの多くは女性神であり、母系社会の系譜上の母神として存在したと考えられる<ref>三浦, 2016, pp161-177</ref>
  
 
== 系譜 ==
 
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*[[少名毘古那神]] - 大国主神と協力して国造り
 
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*[[天御食持命]] - 後裔の[[天道根命]]は[[紀伊国造]]等の祖
 
*[[天御食持命]] - 後裔の[[天道根命]]は[[紀伊国造]]等の祖
*[[天神玉命]] - 後裔の[[賀茂建角身命]]は[[賀茂氏]](天神系)の祖
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* '''[[天神玉命]]''' - 後裔の[[賀茂建角身命]]は[[賀茂氏]](天神系)の祖
 
*[[角凝魂命]] - [[度会氏]]・[[忌部氏]]等の祖
 
*[[角凝魂命]] - [[度会氏]]・[[忌部氏]]等の祖
 
*[[櫛真乳魂命]] - [[中臣氏]]・[[卜部氏]]・[[伊勢国造]]等の祖
 
*[[櫛真乳魂命]] - [[中臣氏]]・[[卜部氏]]・[[伊勢国造]]等の祖

2022年10月31日 (月) 14:38時点における版

カミムスビ(カミムスヒ、カムムスビ)は、日本神話に登場する神。別天津神・造化三神のうちの一柱。

概要

『古事記』では神産巣日神、『日本書紀』では神皇産霊尊、『出雲国風土記』では神魂命と書かれる。

「産霊(むすひ)」は生産・生成を意味する言葉で、高皇産霊神とともに「創造」を神格化した神である。

『古事記』では、少名毘古那神(すくなびこな)は神産巣日神の子である。

記述

天地開闢の時、天之御中主神(あめのみなかぬし)・高御産巣日神(たかみむすび)の次に高天原に出現し、造化の三神の一柱とされる。冒頭の記述では性のない独神とされているが、御祖神という記述、大国主神八十神らによって殺されたとき、大国主神の母の刺国若比売が神産巣日神に願い出て、遣わされた𧏛貝比売と蛤貝比売が「母の乳汁」を塗って治癒したことから女神であるともされる[1]

『古事記』で語られる神産巣日神は高天原に座して出雲系の神々を援助する祖神的存在であり、他の神々からは「御祖(みおや)」と呼ばれている[2]須佐之男命大気都比売神を殺したとき、その死体から五穀が生まれ、神産巣日神がそれを回収したとされる。

『日本書紀』では出雲系の神々が語られないため、カミムスビは高御産巣日神の対偶神として存在するのみで特にエピソードは無い[3]

『出雲国風土記』では島根半島の地名起源譚に登場する、土地神たちの御祖として「神魂命」の名が現れる。キサカヒメ・ウムカヒメなど土地神たちの多くは女性神であり、母系社会の系譜上の母神として存在したと考えられる[4]

系譜

特に配偶神(夫神)については記されていないが、複数の御子神がいるとされる。

参考文献

関連項目

参照

Categor:女媧型女神

  1. 三浦, 2016, pp161-177
  2. 三浦, 2016, pp161-177
  3. 三浦, 2016, pp161-177
  4. 三浦, 2016, pp161-177