== 各種文献における記述 ==
=== 道教経典 ===
<!--呂宗力&欒保群1991、二階堂2001ここから-->道教儀礼で広く用いられる『{{仮リンク|玉皇経|zh|高上玉皇本行集經}}』(『高上玉皇本行集経』)には以下のような記述がある。道教儀礼で広く用いられる『玉皇経(高上玉皇本行集經)』(『高上玉皇本行集経』)には以下のような記述がある。
はるか昔に光厳妙楽国という国があり、国王は名を浄徳王、后は宝月光皇后といったが、国王には跡継ぎがいなかった。そこで国中の道士を招いて儀礼を執り行った。ある夜、宝月光皇后は太上道君から子どもを授かる夢を見て、目が覚めると妊娠していた。その後一年を経て、丙午の年、正月九日午の刻に太子として生まれたのが玉帝である。浄徳王の没後に太子は国を継ぐが、やがてすべてを捨てて山中にこもり、道を修め人々を救おうとした。億劫もの長い時間をかけた修行を経て、ついに玉帝となった<ref name="呂宗力&欒保群1991" /><ref name="二階堂2001p213-p224">[[#二階堂 2001|二階堂 2001]], p. 213-224.</ref><ref group="私注">これは人外のものからの「お告げ」で子供を授かる、という点で朝鮮神話の金蛙王の誕生譚と類似していないだろうか。</ref>。
また『{{仮リンク|聖源覚真経|zh|聖源覺真經|label=聖源覚真経}}』では、遠い昔に身を捨てて天の北を塞ぎ、代わりに万の衆生を生かした(「捨身堵北缺、代存万衆生」)という。