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日本では[[縄文時代]]早期(約7000年前)のものとみられる木製櫛が[[佐賀市]]の[[東名遺跡]]から出土している日本では縄文時代早期(約7000年前)のものとみられる木製櫛が佐賀市の東名遺跡から出土している<ref>{{Cite web|date=2006-10-18|url=, http://www.47news.jp/CN/200610/CN2006101801000634.html|title=, 国内最古の木製くし出土 佐賀市の東名遺跡|publisher=, 共同通信|accessdate=, 2008-10-10}}</ref>。縄文時代には刻歯式の竪櫛が用いられたが、古墳時代には結歯式の竪櫛が多用された<ref name="yamagata" />。奈良時代には大陸から横櫛が伝来し横型刻歯式の挽歯櫛が一般的になった<ref name="yamagata" >[http://www.yamagata-museum.jp/archive/news/n-99.pdf 山形県立博物館ニュース 第99号] 山形県立博物館、2019年10月1日閲覧。</ref>。江戸時代には髪を結い上げる習慣に伴って櫛などの髪を整える道具類が発達した<ref name="numazu" >[https://www.city.numazu.shizuoka.jp/kurashi/shisetsu/rekishiminzoku/dayori/pdf/193.pdf 沼津市歴史民俗資料館資料館だより vol.36 No.4] 沼津市歴史民俗資料館、2019年10月1日閲覧。</ref>。
素材は、獣の骨や木材一般から、より櫛に適した木([[ツゲ]]、[[マユミ]]など素材は、獣の骨や木材一般から、より櫛に適した木(ツゲ、マユミなど)や[[竹]]、[[鼈甲]]、[[象牙]]、[[金属]]、[[合成樹脂]]製などへと多様化し、形状や美しさもより高度なものへと発展してきた。現代では、[[理髪店]]などで利用者ごとに取り換えられる<ref>一例として、[http://www.qbhouse.co.jp/sp/about/ QBハウスとは](2018年8月16日閲覧)。</ref>安価な量産品もある。や竹、鼈甲、象牙、金属、合成樹脂製などへと多様化し、形状や美しさもより高度なものへと発展してきた。
=== 素材 ===
日本では伝統的に[[ツゲ|つげ]]櫛が高級品とされ、和泉櫛がつくられる[[和泉国]]近木荘(現・[[大阪府]][[貝塚市]])のような著名な産地もあった日本では伝統的につげ櫛が高級品とされ、和泉櫛がつくられる和泉国近木荘(現・大阪府貝塚市)のような著名な産地もあった<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXKZO34174330V10C18A8BC8000/ 伊藤伸史「和泉櫛のロマンひもとく◇義父の技に魅せられて1500年以上の歴史に迫る◇」]『日本経済新聞』朝刊2018年8月16日(文化面)2018年8月16日閲覧。</ref>。
== 櫛の文化 ==
=== 日本語の櫛(クシ) ===
[[日本語]]では櫛は「霊妙なこと、不思議なこと」という意味の「奇(くすし)」や「聖(くしび)」との音の共通性から呪力を持つものとして扱われた日本語では櫛は「霊妙なこと、不思議なこと」という意味の「奇(くすし)」や「聖(くしび)」との音の共通性から呪力を持つものとして扱われた<ref name="yamagata" />。他方では女性が髪を梳くことから女性格の象徴的な物品としても扱われた<ref name="yamagata" />。
語の読みからは「苦死」に通じるため、道に落ちている櫛を拾うことは「苦と死を拾う」ことにつながり、[[縁起]]が悪いことと忌み嫌われる。どうしても拾わなくてはならない時は、足で踏んでから拾う。贈り物にするときは、[[忌み言葉]]として「かんざし」と呼ぶ。そのほか「94」を「くし」と読む語呂合わせから、櫛を大切に扱い、人々の美容への認識を高めてもらおうと、日本の全国美容週間実行委員会が[[9月4日]]を「くしの日」と定めた。語の読みからは「苦死」に通じるため、道に落ちている櫛を拾うことは「苦と死を拾う」ことにつながり、縁起が悪いことと忌み嫌われる。どうしても拾わなくてはならない時は、足で踏んでから拾う。贈り物にするときは、忌み言葉として「かんざし」と呼ぶ。
=== 櫛の呪力 ===
日本では古来、櫛は別れを招く呪力を持っているとされ、現代の[[日本人]]でも櫛を贈答品にしたり、気軽に貸し借りしたりするのを嫌がる人は少なくない。一方で、魂の宿る頭に飾るものであることから、自らの分身として旅立つ人に手渡しもした。日本では古来、櫛は別れを招く呪力を持っているとされ、現代の日本人でも櫛を贈答品にしたり、気軽に貸し借りしたりするのを嫌がる人は少なくない。一方で、'''魂の宿る頭に飾るもの'''であることから、自らの分身として旅立つ人に手渡しもした。*『[[古事記]]』には、『古事記』には、[[イザナギ|伊邪那岐命]]が、妻の[[イザナミ|伊邪那美命]]が差し向けた追っ手([[黄泉醜女]])から逃れるために、櫛の歯を後ろに投げ捨てたところ[[筍]]に変わり、黄泉醜女がそれを食べている間に逃げることができたという記述がある)から逃れるために、櫛の歯を後ろに投げ捨てたところ筍に変わり、黄泉醜女がそれを食べている間に逃げることができたという記述がある<ref name="yamagata" />。同じく『古事記』で。このように「'''[[ヤマタノオロチ|大蛇呪的逃走]]'''」に櫛が使われる場合を「'''逃走櫛型'''」と呼びたい。*『古事記』で[[八俣遠呂智]]を退治しに出向く[[スサノオ|須佐之男命]]は[[クシナダヒメ|櫛名田比売]]を櫛に変えて自分の髪に挿した。*天皇は[[斎宮天皇は斎宮]]として都を旅立つ皇族の少女を見送る儀式で、「別れの櫛」を手ずから髪に挿し、別れの言葉をかけた。彼女たちは身内か天皇に不幸があるまで都に帰ることはできず、巫女であるため任務を解かれるまで恋愛もできない。櫛を挿す儀式には俗縁を断つという意味があるとされる<ref name="yamagata" />。逆に成人式に当たる「髪上げの儀」では、大人社会への仲間入りの象徴として櫛が少女の髪に挿される。この儀式の直後に婚礼を済ませることもあった。*ドイツ童話の中には『[[白雪姫]]』のように、櫛が女性の生命活動を一時的に停止できる(』のように、櫛が女性の生命活動を一時的に停止できる(気絶させたり、金縛りにしたりする)黒魔法の道具として登場することもある。*古代中国の一部の呪術者の中には、『捜神記』の于吉のように体を洗わず、髪に櫛を入れないことで雨乞いをする者もいた。 == 私的考察 ==櫛は日本語では「魂」に通じ、持ち主の魂の象徴であるように思う。かつ、西王母の髪飾りである[[失神|気絶玉勝]]させたり、が神話的起源だと考える。よって、'''櫛'''には * 大地や河川を留めてその秩序を守る。 という意味があるように思う。 伊邪那岐命の櫛は[[金縛り西王母]]にしたりする)[[黒魔術|黒魔法玉勝]]の道具として登場することもある。が、伊邪那岐命の持ち物とされるようになり、黄泉の国の扉が開かれたりした場合、元の閉じられた状態に戻すためのアイテムとして使われるのはそのためではないだろうか。*古代中国の一部の呪術者の中には、『[[櫛名田比売]]が櫛に変化するのは、[[櫛名田比売]]が[[西王母]]的な女神で、特に[[八俣遠呂智]]退治では勝利をもたらす軍神としての性質があることを示すものではないだろうか。([[捜神記櫛名田比売]]の項を参照のこと) == 櫛が登場する神話・伝承 ==* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=119 紡錘むすめ]』の:コミ共和国:知り合いのおばあさんから[[于吉呪的逃走]]のように体を洗わず、髪に櫛を入れないことでに使用する櫛を貰う。(→[[雨乞い女・女神殺し型]]をする者もいた。
== 関連項目 ==
*[[西王母]]*[[玉勝]]*[[スペイン櫛櫛名田比売]]*[[和服呪的逃走]]*[[日本髪]]== 参考文献 ==*Wikipedia:[[クシナダヒメ]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AB%9B 櫛](最終閲覧日:22-09-29)
== 参照 ==
{{DEFAULTSORT:くし}}
[[Category:日本神話]]
[[Category:用語]]
[[Category:アイテム]]
[[Category:呪的逃走]]

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