== 人間との関係 ==
=== 食用 ===
大型の種類は、世界各地で食用にされる。日本で「食用蛙」といえば、普通[[ウシガエル]]のことを指す。肉は[[鶏肉みたいな味|鶏肉のささみに似ており]]、淡白で美味である。[[中華人民共和国|中国]]をはじめ、欧州など世界的には、カエルを食べることは特別なことではない。ただし、欧州の蛙食の歴史に於いて先駆的であった[[フランス人]]は、後続の国々から「カエル喰い」と揶揄を込めて呼ばれていた。現在でも英語で 大型の種類は、世界各地で食用にされる。日本で「食用蛙」といえば、普通ウシガエルのことを指す。肉は鶏肉のささみに似ており、淡白で美味である。中国をはじめ、欧州など世界的には、カエルを食べることは特別なことではない。ただし、欧州の蛙食の歴史に於いて先駆的であったフランス人は、後続の国々から「カエル喰い」と揶揄を込めて呼ばれていた。現在でも英語で '''frog eater''' (フロッグ・イーター)や'''Johnny Crapaud'''(ジョニー・クラポー。クラポーは仏語でカエル)はフランス人に対する蔑称であり、'''frog''' だけでフランス人を指すこともある。現代フランス料理の祖といわれる[[オーギュスト・エスコフィエ]]は、若き日の英国王[[エドワード7世 (イギリス王)|エドワード7世]]に自慢のカエル料理を提供し賞賛を得たが、材料を問われて言葉につまり、「頭が三角になる思い」をしたという。後年、エスコフィエは[[ロンドン]]の「カールトン・ホテル」で評判となった冷製料理「妖精・オーロラ風」がカエル料理だったことを明かし、イギリス食通のあいだに騒動を巻き起こしただけでフランス人を指すこともある。現代フランス料理の祖といわれるオーギュスト・エスコフィエは、若き日の英国王エドワード7世に自慢のカエル料理を提供し賞賛を得たが、材料を問われて言葉につまり、「頭が三角になる思い」をしたという。後年、エスコフィエはロンドンの「カールトン・ホテル」で評判となった冷製料理「妖精・オーロラ風」がカエル料理だったことを明かし、イギリス食通のあいだに騒動を巻き起こした<ref>{{Harvtxt|21世紀研究会|, 2004||p=235}}, p235</ref>。食べ方としては[[ソテー]]や[[パン粉]]焼きなどがある。もっぱら腿が用いられる。。食べ方としてはソテーやパン粉焼きなどがある。もっぱら腿が用いられる。
中国においてもっとも一般的な食用蛙はアカガエルの一種で、中国語では「田鶏(ティエンジー)」と呼ばれる。冬に食べることが多かったが、現在は養殖されており年中食べることができるほか、[[ハスマ]]と呼称されるカエルを原材料とする[[菓子]]も食べられる。また[[エジプト]]などから大型のウシガエルも移入されて養殖されている。[[安徽省]]や[[福建省]]などでは渓流に住む「石鶏 中国においてもっとも一般的な食用蛙はアカガエルの一種で、中国語では「田鶏(ティエンジー)」と呼ばれる。冬に食べることが多かったが、現在は養殖されており年中食べることができるほか、ハスマと呼称されるカエルを原材料とする菓子も食べられる。またエジプトなどから大型のウシガエルも移入されて養殖されている。安徽省や福建省などでは渓流に住む「石鶏 (シージー、''Rana spinosa'')」も美味と珍重されている。食べ方としては手足の部分の[[から揚げ|唐揚げ]]が最も一般的。上下を真っ二つに切って、内臓を取り出し、[[スープ]]にする場合もある。また、[[華南]]では[[粥]]の具としても利用される。)」も美味と珍重されている。食べ方としては手足の部分の唐揚げが最も一般的。上下を真っ二つに切って、内臓を取り出し、スープにする場合もある。また、華南では粥の具としても利用される。
なお、人へも寄生する[[広東住血線虫症|広東住血線虫]]などが寄生している場合もあるので、生食や野生の捕獲喫食は危険である。なお、人へも寄生する広東住血線虫などが寄生している場合もあるので、生食や野生の捕獲喫食は危険である。
* [[ガマの油]]([[ニホンヒキガエル|ヒキガエル]])ガマの油(ヒキガエル)* [[蟾酥]](せんそ) モデル生物としてカエルが利用されることも多い。発生生物学や生理学の部門での利用が有名である。特に[[アフリカツメガエル]]はよく実験目的で飼育される。脳を切除して[[脊髄反射]]を見る実験は「'''脊髄ガエル'''」という名がつけられている。[[解剖学|解剖]]の実習では[[蛙の解剖|蛙が定番]]であるが、日本の理科教育においては次第に軽視される傾向にある。蟾酥(せんそ)
=== 文化 ===
==== 日本 ====
[[ファイル:Chouju sumo2.jpg|thumb|鳥獣戯画]]
[[大和民族]]におけるカエルは、棲息に好適な水辺や水田が多かったことから、常に人にとって身近な存在となっている。古くから[[冬眠]]から覚めて活発に行動する[[春]]から[[夏]]にかけての景物とされ、『[[万葉集]]』以来、特に鳴き声を愛でて詩歌に詠む。例えば[[山上憶良]]が「あまぐものむかぶすきはみ たにぐくのさわたるきはみ」(万葉集巻第五)と詠んだように、[[上代日本語|上代]]では谷間で聞かれる鳴き声から、ヒキガエルを「たにぐく(多爾具久・谷蟇)」と呼び<ref name="Simauchi">嶋内博愛、松枝到(編)「カエルをめぐる象徴性:グリム童話集を起点に」『象徴図像研究:動物と象徴』 言叢社 2006 ISBN 4862090079 pp.147-168.</ref>、『[[古事記]]』にも[[葦原中国]]の神の一柱として[[多邇具久]]が登場する。
[[和歌]]での「かはづ」は、主に鳴き声が美しいことで知られるカジカガエルのことを指すが、この語は[[平安時代|平安]]初期ごろから、混同されてカエル一般を指すようになった。[[俳諧]]においては、カエル一般を指すと思われる用例が増える。[[松尾芭蕉|芭蕉]]の「古池や蛙飛び込む水の音」、[[一茶]]の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」等の句は特に有名。「蛙」は春の季語で、これは初蛙のイメージから。「雨蛙(あまがへる)」「蟇/蟾蜍(ひきがへる)、蟾(ひき)、蝦蟇(がま)」「[[カジカガエル|河鹿]](かじか=カジカガエル)」は夏の季語である{{refnest|group="注釈"|「蛙/蝦」は三春(初春・仲春・晩春・義春)・動物に、「雨蛙」「蟇/蟾蜍」「河鹿」は三夏・動物に分類される季語である<ref>{{Harvtxt|齋藤|阿久根|1997}}</ref>。}}。
[[歌舞伎]]では、[[アカガイ]]の貝殻を2枚こすり合わせることでカエルの鳴き声を表現する<ref>{{Cite web|和書|url=http://enmokudb.kabuki.ne.jp/phraseology/phraseology_category/butai/syoumei_to_onkyo |title=歌舞伎用語案内 照明と音響 |publisher=松竹、国立国会図書館、歌舞伎 |accessdate=2020-01-02 }}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://kyoushien.kyokyo-u.ac.jp/taka/1169.html |title=身近な音具たち かえる |publisher=京都教育大学 |accessdate=2020-01-02 }}</ref>。
[[鳥獣戯画]]([[平安時代]]末期)にも、[[ニホンザル|サル]]や[[ウサギ]]とともに、人間に擬せられたカエルの姿が、生き生きと描かれている。また、[[草双紙]]([[江戸時代]])では妖術使いの[[児雷也豪傑譚|児雷也]]が大蝦蟇(おおがま=空想上の化け物)に乗って登場する等、様々な表現のモチーフとなっている。
童謡『かえるの合唱』は、ドイツ民謡を音楽家の[[岡本敏明]]が日本語に訳詞したもの。
[[昭和]]20年代には、カエルは「げこげこ」ではなく「ころころ」と鳴くという表現が一般的であった<ref>『母を讃える』、1949年7月5日発行、高知県教員組合、P34</ref>。
昭和40年代にはカエルを主人公とした漫画および[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメーション]]『[[ど根性ガエル]]』や、[[着ぐるみ]]劇『[[ケロヨン]]』が人気を博した。
また、[[サンリオ]]は『[[けろけろけろっぴ]]』という子供カエルのキャラクターを創造した。[[宮沢賢治]]は寓話『蛙のゴム靴』で、西洋から渡来のゴム[[長靴]]を晴れた日にも履き、得意になっている文明開化の明治紳士を風刺する中篇を書いている。21世紀にあっても、[[百田尚樹]]の風刺小説『カエルの楽園』のモチーフに使用されている。
[[貝原益軒]]の『大和本草』によれば、カエルの名は他の土地に移しても必ず元の所に帰るという性質に由来すると記述されている。
日本では、「お金が返る(カエル)」として、カエルのマスコットを財布の中に入れておく習慣がある。似たような扱いで、新しいものでは、[[1985年]]に[[NTT]]が出した「'''カエルコール'''」がある。帰るときに家に連絡を入れよう、というものだが、「今から、カエル」というテレビの[[コマーシャルメッセージ|コマーシャル]]が人気を呼んだ。
一方、[[北海道]]周辺の[[アイヌ民族]]の文化においては、カエルは不吉な生き物とされていた。家にカエルが入り込めば、すかさず炉の熱灰をかけて退治したという。水田耕作をおこなわなかったアイヌにとって湿地帯は利用価値の低い土地で吸血虫の住処であり、そこに住むカエルも同様に忌み嫌われたものらしい<ref>『図解アイヌ』 角田陽一 [[新紀元社]] 2018年 p92</ref>。