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伝承の主人公は「大日如来」とあるが、仏教の聖なる如来が博打や窃盗をするという設定はあまりにもひどいので、仏教伝来よりも古くからある伝承が、後に大日如来に結びつけられたものと考える。おそらくここで述べる「大日如来」とは星神・香香背男(かがせお)のことで、
秋鹿日女命から餅を盗んで女神の力を弱らせてしまい、女神は鳥神から水に落ちて水神になってしまった、<blockquote>秋鹿日女命から餅を盗んで女神の力を弱らせてしまい、女神は鳥神だったものが水に落ちて水神になってしまった</blockqoute>
とかそのような伝承があったのではないか、と思う。鳥を射たら餅に変じた話が豊後国風土記などになる。秋鹿日女命は鳥神で医薬神でもあったが、羽衣を盗まれた天女のように、自らの能力で自分自身を癒すことはできなかったのだろう。インドには[[ラーフ]]という星神が[[アムリタ]]という霊薬を神々から盗む話がある。中国では「不老不死の薬」は西王母のものだが、月で作られるものでもある。日本では月で作られるものは「餅」なので、この伝承や鳥神の変遷で語られる「餅」とは「不老不死の霊薬」に相当するものだし、その持ち主は当然あらゆる病を治す医薬神とみなされたであろう。
よって、秋鹿日女命は太陽女神だったものが、その地位が水神にまで低下してしまった「'''[[吊された女神]]'''」と考える。大日如来はいわゆる中国式の[[天狗(中国)|天狗]]で、本伝承の場合は'''[[祝融型神]]'''・窃盗型である。
 
==== 余談 ====
近隣にあるのが星上山(萩山)ということでやや厳しめの考察をしてしまった。
 
<blockquote>秋鹿日女命が大切な餅を香香背男(かがせお)に盗まれて困っていたので、大日如来がそれを取り返してきてくれた。感謝した女神は、自分の領地の中に大日如来の住居を建てて、お礼に毎年お餅を奉納することにした。</blockquote>
 
とでもしたら古代から中世にかけての仏教説話的で感じが良いのに、と思う。「博打に負けた腹いせ」という設定がかなり残念である。
== 参考文献 ==

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