「祝融型神」の版間の差分
ナビゲーションに移動
検索に移動
| 2行目: | 2行目: | ||
* 火神・太陽神・火山神などである。ただし「夜の太陽(すなわち「暗闇))」と現されることが多い。 | * 火神・太陽神・火山神などである。ただし「夜の太陽(すなわち「暗闇))」と現されることが多い。 | ||
| − | ** 両親、あるいは親のいずれかを焼き殺すなどで、殺す。 | + | ** 両親、あるいは親のいずれかを焼き殺すなどで、殺す。[[軻遇突智]]のように。 |
| − | ** 妻を殺す神であることが多い。 | + | ** 妻を殺す神であることが多い。'''青ひげ型'''。 |
*** ここから派生したと思われるが娘を殺すこともある。'''アガメムノーン'''型といえる。逆に娘に殺される父親の神話も稀にあるが、この場合の「父親」をどの程度「祝融型神」とするかは考察が必要と感じる。 | *** ここから派生したと思われるが娘を殺すこともある。'''アガメムノーン'''型といえる。逆に娘に殺される父親の神話も稀にあるが、この場合の「父親」をどの程度「祝融型神」とするかは考察が必要と感じる。 | ||
| + | * 軍事的英雄神、王として現れることがある。'''甘基王型'''である。桃太郎もこの型に入ると考える。 | ||
** 息子神であることが多い。勝者の場合は父神とされる場合もある。 | ** 息子神であることが多い。勝者の場合は父神とされる場合もある。 | ||
*** 息子神のうち、父に助けられるタイプを'''[[ヘルメース]]型'''。 | *** 息子神のうち、父に助けられるタイプを'''[[ヘルメース]]型'''。 | ||
| 10行目: | 11行目: | ||
*** 父を殺すタイプを'''[[マルドゥク]]型'''。 | *** 父を殺すタイプを'''[[マルドゥク]]型'''。 | ||
*** 母に殺されるタイプを'''[[アドーニス]]型'''。 | *** 母に殺されるタイプを'''[[アドーニス]]型'''。 | ||
| − | *** | + | *** 母を殺すタイプを'''[[軻遇突智]]型'''、とする。 |
** [[炎帝型神]]などの生まれ変わりとされる場合がある。 | ** [[炎帝型神]]などの生まれ変わりとされる場合がある。 | ||
** [[炎帝型神]]を倒す、とされる場合がある。ミトラスのように。 | ** [[炎帝型神]]を倒す、とされる場合がある。ミトラスのように。 | ||
* 兄妹婚といった近親婚を行う場合がある。([[伏羲型神]]) | * 兄妹婚といった近親婚を行う場合がある。([[伏羲型神]]) | ||
| + | * [[知恵者]]とされ、時に文化英雄となる。気に入った相手に助言などを与えることもある。人類の創造を行ったりもする。男性形の[[シームルグ]]など([[伏羲型神]])。 | ||
| + | * 軍事的英雄神のこともある。アガメムノーンのように王権者を兼ねることもある。 | ||
* 弟を殺す、といった「カインとアベル」のカイン的性質を持つ。([[チャンヤン]]型神) | * 弟を殺す、といった「カインとアベル」のカイン的性質を持つ。([[チャンヤン]]型神) | ||
| − | ** | + | ** 民間伝承では「'''末子成功譚'''」の主人公は祝融型神に入ると考える。彼の成功は良くも悪くも「兄弟」の死の上に成立することが多い。'''甘基王型'''が多い。 |
| − | * 月神とされる場合がある。 | + | * 月神とされる場合がある。 |
| − | * | + | * '''人身御供を肯定する'''ことが多い。 |
| − | |||
* 全般的に'''疫神'''である。 | * 全般的に'''疫神'''である。 | ||
| − | ** | + | ** 泥棒の神とされる場合もある。太陽や神々から何かを盗んだりする。[[ヘルメース]]、[[プロメーテウス]]のように。 |
| − | ** | + | ** なまけ者、とされることもある。ものぐさ太郎や[[饕餮]]のように。 |
| + | * 人間ではない異形として現されることがある。[[伏羲]]も下半身は蛇の神である。 | ||
| + | ** 植物、特に樹木神として現される。[[蚩尤]]は楓の木に変化するし、[[須佐之男]]は樹木神である。[[須佐之男]]は牛頭神としても現されるし、山の神、火山の神(富士信仰など)とされることもある。 | ||
| − | + | といった特徴を持つ。桃太郎のように成功者として描かれる話も多い。 | |
== 祝融型神 == | == 祝融型神 == | ||
| 30行目: | 34行目: | ||
* [[寒浞]]:后羿の肉を后羿の子供たちに食べさせ、食べなかったものを殺した。少康に殺された、とされる。 | * [[寒浞]]:后羿の肉を后羿の子供たちに食べさせ、食べなかったものを殺した。少康に殺された、とされる。 | ||
* [[祝融]] | * [[祝融]] | ||
| − | * [[チャンヤン]]:ミャオ族の祖神の一柱。 | + | * [[チャンヤン]]:ミャオ族の祖神の一柱。[[伏羲型神]]。 |
* '''少名毘古那神''':この神は、特に東国で「天神」「征服神」「祖神」として祀られていた形跡があり、北斗信仰と関連した神とも考えられるので、[[伏羲]]の項にいれるか、こちらに入れるか迷ったのだが、「征服神(軍神)」ということを重要視してこちらに入れる。'''信濃金刺氏がかつて祖神としていた形跡がある'''。 | * '''少名毘古那神''':この神は、特に東国で「天神」「征服神」「祖神」として祀られていた形跡があり、北斗信仰と関連した神とも考えられるので、[[伏羲]]の項にいれるか、こちらに入れるか迷ったのだが、「征服神(軍神)」ということを重要視してこちらに入れる。'''信濃金刺氏がかつて祖神としていた形跡がある'''。 | ||
| 36行目: | 40行目: | ||
* [[蚩尤]]:黄帝に倒される。 | * [[蚩尤]]:黄帝に倒される。 | ||
* [[伯封]]:黄帝型神(后羿、継父)に倒される。 | * [[伯封]]:黄帝型神(后羿、継父)に倒される。 | ||
| − | * [[アドニース]]:アレース([[黄帝型神]])に倒される。 | + | * [[アドニース]]:アレース([[黄帝型神]])に倒される。[[アドニース]]は死して毒草に生まれ変わるので祝融型神とする。 |
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
| 47行目: | 51行目: | ||
[[Category:中国神話]] | [[Category:中国神話]] | ||
[[Category:祝融型神|*]] | [[Category:祝融型神|*]] | ||
| − | |||
[[Category:月神]] | [[Category:月神]] | ||
| − | [[Category: | + | [[Category:火神]] |
| − | [[Category: | + | [[Category:火山神]] |
| − | [[Category: | + | [[Category:樹木神]] |
| − | |||
2025年12月13日 (土) 20:57時点における版
祝融型神とは中国神話の祝融のような性質を持つ神のことを指す。他人のほかや両親・姉妹・弟などの身内に害をなす性質が強く、疫神、災害神として表されることも多い。また、神話的に「父」に当たる黄帝型神のトーテムや事績を自らのものにしていることも多い。炎帝型神の生まれ変わりとされることもある。
- 火神・太陽神・火山神などである。ただし「夜の太陽(すなわち「暗闇))」と現されることが多い。
- 両親、あるいは親のいずれかを焼き殺すなどで、殺す。軻遇突智のように。
- 妻を殺す神であることが多い。青ひげ型。
- ここから派生したと思われるが娘を殺すこともある。アガメムノーン型といえる。逆に娘に殺される父親の神話も稀にあるが、この場合の「父親」をどの程度「祝融型神」とするかは考察が必要と感じる。
- 軍事的英雄神、王として現れることがある。甘基王型である。桃太郎もこの型に入ると考える。
- 兄妹婚といった近親婚を行う場合がある。(伏羲型神)
- 知恵者とされ、時に文化英雄となる。気に入った相手に助言などを与えることもある。人類の創造を行ったりもする。男性形のシームルグなど(伏羲型神)。
- 軍事的英雄神のこともある。アガメムノーンのように王権者を兼ねることもある。
- 弟を殺す、といった「カインとアベル」のカイン的性質を持つ。(チャンヤン型神)
- 民間伝承では「末子成功譚」の主人公は祝融型神に入ると考える。彼の成功は良くも悪くも「兄弟」の死の上に成立することが多い。甘基王型が多い。
- 月神とされる場合がある。
- 人身御供を肯定することが多い。
- 全般的に疫神である。
- 人間ではない異形として現されることがある。伏羲も下半身は蛇の神である。
といった特徴を持つ。桃太郎のように成功者として描かれる話も多い。
祝融型神
勝者の場合
- 禹:黄帝型神(水神)を倒す。祝融を人間化した存在。夏の創始者とされる。妻を追い回して殺したと思われる。
- 寒浞:后羿の肉を后羿の子供たちに食べさせ、食べなかったものを殺した。少康に殺された、とされる。
- 祝融
- チャンヤン:ミャオ族の祖神の一柱。伏羲型神。
- 少名毘古那神:この神は、特に東国で「天神」「征服神」「祖神」として祀られていた形跡があり、北斗信仰と関連した神とも考えられるので、伏羲の項にいれるか、こちらに入れるか迷ったのだが、「征服神(軍神)」ということを重要視してこちらに入れる。信濃金刺氏がかつて祖神としていた形跡がある。