また、これに「後日譚」が付加されて、龍蛇神と結婚した女神自身も「龍蛇体になる」という話も広く見られるように思う。
その龍蛇女神が単独で独立し、逆に水底から出てきて人間の男性と結婚するようになると、いわゆる「[[メリュジーヌ]]譚」になると考える。[[メリュジーヌ]]譚の多くは「禁忌」を伴い、禁忌を破ることによって、多くの婚姻譚の婚姻は破綻する。しかし、多くの場合、[[メリュジーヌ]]的女神は子孫を残しており、「祖神女神」としての性質が強い女神でもある。
バルンと朝鮮の「龍女」にも「祖神」としての性質があり、彼らは消える際に、家族や子供になにがしかの財産や、自分の身代わりともいえる「神の象徴」ともいうべき物品を残していくことが多い。それは主に「首飾り」や「玉」のようなアクセサリー類と、おそらく何か特殊な性質が宿っているとされる「器」が多いように思う。どちらも、そのように後に残された「神の権威」が次の世代の家族に受け継がれた、ということの象徴といえると考える。王権というものが発達してくれば、これは「王の印璽」とか「王冠」とか、譲られた者の財力、身分、権威の象徴として現されるようになったのではないだろうか。いずれも、単に経済的価値があるというだけでなく、血筋によって先祖から子孫へと引き継がれていく象徴のようなものである。
そして、失踪する女神の残した宝が「器」の場合には、特に日本に目立つように思うが、いわゆる「[[椀貸伝説]]」へと変遷しているように思う。
== 関連項目 ==
* [[肥長比売]]
* [[ダロン]]
* [[龍女]]:朝鮮の[[メリュジーヌ]]譚。
** [[八丁島天満宮]]:[[龍女]]の類話が語られる。
** [[多満留姫]]
** [[椀貸伝説]]
* [[メリュジーヌ]]
== 脚注 ==