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− | '''バイキングの息子、トルストンのサガ'''('''Þorsteins saga Víkingssonar''' or '''The Saga of Thorstein, Viking's Son''') | + | '''バイキングの息子、トルストンのサガ'''('''Þorsteins saga Víkingssonar''' or '''The Saga of Thorstein, Viking's Son''') は7世紀にあったとされる伝説で、「大胆なフリシオフ(Frithjof the Bold)」の父の物語である。物語はノルウェーとスウェーデン(ウララッカー(Ulleråker)などの場所)から始まって、インドなどのエキゾチックな場所まで続く。「トルストンのサガ」は有名なサガの一つではないが、それでも面白い物語である。「大胆なフリシオフのサガ(The Saga of Fridthjof the Bold(Friðþjófs saga ins frœkna))」の前の時代の話となる。 |
+ | 物語はスウェーデンのセーデルマンランドにあるバッドバイ(Bjudby)のルーンストーンSö54と比較されている。この石には、トルストンの主な家族について彫られており、父親の''ヴァイキンガー(Víkingr)''の他に3人の息子が同じ名前であることが分かっている。他の登場人物の名前も密接に対応している<ref>"Tales of Generations: A comparison between some Icelandic and Geatish narrative motifs", by Guðmundsdóttir, Aðalheiður. (2016) - In: Scripta Islandica vol. 67 (2016) p. 5-36</ref>。 | ||
− | + | == 粗筋 == | |
+ | スウェーデンにて、ヴァイキング(Viking)は2番目の妻との間に9人の息子を得た。トルストン(Thorstein, or Thor's Stone)はヴァイキングの長男だった。ヴァイキングは好敵手だったノルウェーのアップランドの王ニョルフェ(Njorfe)と友達になった。ニョルフにも9人の息子がいた。息子達の2つのグループは互いに激しく競い合っていた。荒っぽい球技で、彼らは互いに殴り合い、傷つけ合って、相手の腕を折ろうとした。バイキングの息子の一人がが死にかけ、逆にニョルフェの息子を殺した。 | ||
− | + | バイキングはこの息子を叱り、ヴェーネルン湖の島に送った。トルストンを含む2人の息子が兄弟に同行した。バイキングは、危険が去るまで島で静かに待つようにトルストンに言った。ニョルフェの息子たちは復讐をもくろんでいた。彼らは魔法を使って湖を凍らせる霜を呼び起こし、湖を横切って移動し、バイキングの3人の息子を攻撃した。バイキングの二人の息子、トルストンとトーラー(Thorer)が生き残った。ニョルフェの息子達は、魔術師である長男のヨクル(Jokul)を含む2人が生き残った。ニョルフェの息子は魔法を使ってトルストンとトーラーが生きていることを発見した。 | |
+ | バイキングは安全のために2人の息子をハーフダンの法廷に送った。ヨクルはソグンに攻め込み、王を殺し、相続人のベリ(Beli)を追放し、王の娘インゲボルグに呪いをかけ、彼女を恐ろしいトロールの姿に変えた。また、ヨクルはトルストンを難破させる嵐を2度起こした。インゲボルグ(トロールとしての名前はスケリネファ(Skellinefja))はトルストンを救出し、彼女と婚約してくれるように頼んだ。スケリネファの助けを借りて、トルストンはベリをサインの王位に戻し、インゲボルグの呪いを解いた。トルストンはインゲボルグと結婚し、フリシオフという息子を得た。 | ||
− | + | トルストン、ベリ、アンガンチュール(Angantyr)は、バイキングの盗まれた魔法の船''エリダ(Ellida)''を取り戻した。トルストンは、バロウマウンドの幽霊海賊であるソテと戦い、魔法の指輪(ヴォランド(Voland)によって鍛造された)を手に入れた。また、トルステン、ベリ、アンガンチュールはオークニー諸島を征服した<ref>H.A. Guerber. 1986. ''The Norsemen Myths & Legends''. Avenal Books</ref>。 | |
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− | + | トルストンと息子のフリシオフは、バイキングから魔法の剣アングルヴァデル(Angurvadel)と魔法の船エリダを受け継いだ。トルストンの子孫は、フリシオフのサガ(Friðþjófssagainsfrœkna)とゴートレックのサガ(Gautrekssaga)のスタルカド(Starkad)の節に登場する。 | |
− | + | === トルストンと小人 === | |
+ | トルストンはある旅の途中で、息子をドラゴンにさらわれた直後の小人に出会う。トルストンはドラゴンを射殺して、子供を空中で受け止めて父親に渡した。 | ||
− | + | 小人は喜んで、トルストンに貴重な贈り物をした。 | |
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+ | | 針でつつくと、白:激しいひょうが降る。黄:太陽が照る。赤:火と火花が噴き出す | ||
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+ | [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=172 トルストンと小人] | ||
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* Wikipedia:[https://en.wikipedia.org/wiki/%C3%9Eorsteins_saga_V%C3%ADkingssonar Þorsteins saga Víkingssonar] | * Wikipedia:[https://en.wikipedia.org/wiki/%C3%9Eorsteins_saga_V%C3%ADkingssonar Þorsteins saga Víkingssonar] | ||
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+ | === トルストンと小人 === | ||
+ | * 「妖精の誕生 フェアリー神話学」 トマス・カイトリー著 市場泰男訳 社会思想社・教養文庫 89p | ||
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2022年3月13日 (日) 08:26時点における最新版
バイキングの息子、トルストンのサガ(Þorsteins saga Víkingssonar or The Saga of Thorstein, Viking's Son) は7世紀にあったとされる伝説で、「大胆なフリシオフ(Frithjof the Bold)」の父の物語である。物語はノルウェーとスウェーデン(ウララッカー(Ulleråker)などの場所)から始まって、インドなどのエキゾチックな場所まで続く。「トルストンのサガ」は有名なサガの一つではないが、それでも面白い物語である。「大胆なフリシオフのサガ(The Saga of Fridthjof the Bold(Friðþjófs saga ins frœkna))」の前の時代の話となる。
物語はスウェーデンのセーデルマンランドにあるバッドバイ(Bjudby)のルーンストーンSö54と比較されている。この石には、トルストンの主な家族について彫られており、父親のヴァイキンガー(Víkingr)の他に3人の息子が同じ名前であることが分かっている。他の登場人物の名前も密接に対応している[1]。
粗筋[編集]
スウェーデンにて、ヴァイキング(Viking)は2番目の妻との間に9人の息子を得た。トルストン(Thorstein, or Thor's Stone)はヴァイキングの長男だった。ヴァイキングは好敵手だったノルウェーのアップランドの王ニョルフェ(Njorfe)と友達になった。ニョルフにも9人の息子がいた。息子達の2つのグループは互いに激しく競い合っていた。荒っぽい球技で、彼らは互いに殴り合い、傷つけ合って、相手の腕を折ろうとした。バイキングの息子の一人がが死にかけ、逆にニョルフェの息子を殺した。
バイキングはこの息子を叱り、ヴェーネルン湖の島に送った。トルストンを含む2人の息子が兄弟に同行した。バイキングは、危険が去るまで島で静かに待つようにトルストンに言った。ニョルフェの息子たちは復讐をもくろんでいた。彼らは魔法を使って湖を凍らせる霜を呼び起こし、湖を横切って移動し、バイキングの3人の息子を攻撃した。バイキングの二人の息子、トルストンとトーラー(Thorer)が生き残った。ニョルフェの息子達は、魔術師である長男のヨクル(Jokul)を含む2人が生き残った。ニョルフェの息子は魔法を使ってトルストンとトーラーが生きていることを発見した。
バイキングは安全のために2人の息子をハーフダンの法廷に送った。ヨクルはソグンに攻め込み、王を殺し、相続人のベリ(Beli)を追放し、王の娘インゲボルグに呪いをかけ、彼女を恐ろしいトロールの姿に変えた。また、ヨクルはトルストンを難破させる嵐を2度起こした。インゲボルグ(トロールとしての名前はスケリネファ(Skellinefja))はトルストンを救出し、彼女と婚約してくれるように頼んだ。スケリネファの助けを借りて、トルストンはベリをサインの王位に戻し、インゲボルグの呪いを解いた。トルストンはインゲボルグと結婚し、フリシオフという息子を得た。
トルストン、ベリ、アンガンチュール(Angantyr)は、バイキングの盗まれた魔法の船エリダ(Ellida)を取り戻した。トルストンは、バロウマウンドの幽霊海賊であるソテと戦い、魔法の指輪(ヴォランド(Voland)によって鍛造された)を手に入れた。また、トルステン、ベリ、アンガンチュールはオークニー諸島を征服した[2]。
トルストンと息子のフリシオフは、バイキングから魔法の剣アングルヴァデル(Angurvadel)と魔法の船エリダを受け継いだ。トルストンの子孫は、フリシオフのサガ(Friðþjófssagainsfrœkna)とゴートレックのサガ(Gautrekssaga)のスタルカド(Starkad)の節に登場する。
トルストンと小人[編集]
トルストンはある旅の途中で、息子をドラゴンにさらわれた直後の小人に出会う。トルストンはドラゴンを射殺して、子供を空中で受け止めて父親に渡した。
小人は喜んで、トルストンに貴重な贈り物をした。
種類 | 性質 |
---|---|
魔法のシャツ | 着ていると泳いでも疲れないし、怪我もしない |
金の指輪 | 金に不自由しない |
黒い石 | 握ると姿が消える |
隅が白、赤、黄?の三角石 | 針でつつくと、白:激しいひょうが降る。黄:太陽が照る。赤:火と火花が噴き出す |
分類と解説[編集]
関連項目[編集]
文献[編集]
- 原文
- Valdimar Ásmundarson, Hér hefir upp sögu Þorsteins Vikingssonar, Fornaldarsögur norðrlanda, 2, Á kostnað S. Guðmundssonar, 1886,
- https://books.google.com/books?id=ZmgJAAAAQAAJ&pg=PA55, pages=55-112
- 英訳
- Anderson, Rasmus Björn (ed. tr.), Viking tales of the North. The sagas of Thorstein, Viking's son, and Fridthjof the Bold, Chicago, publisher=S. C. Griggs and company, 1877,
- https://books.google.com/books?id=5W5BAAAAYAAJ, pages=1-73,
- Ben, Waggoner, The Sagas of Fridthjof the Bold, The Troth, 2009, isbn=978-0-557-24020-3
参考文献[編集]
日本語版Wikipediaでは検索できませんでした。英語版に記載されているので、★☆☆☆☆:レベル1の神話とします。英語版であれば、ネット上でも読めるようです。英語圏では知られている部類の神話なのかもしれません。日本語では適当な文献は見つけられませんでした。
- Wikipedia:Þorsteins saga Víkingssonar
トルストンと小人[編集]
- 「妖精の誕生 フェアリー神話学」 トマス・カイトリー著 市場泰男訳 社会思想社・教養文庫 89p