差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
5 バイト追加 、 2023年1月20日 (金) 18:42
編集の要約なし
== 神話 ==
イユンクスはアルカディアのニンフで、[[パーン]]と[[エーコー]]、あるいはペイトーとの娘である。彼女は「イユンクス」と呼ばれる不思議な愛のお守りを作った。イユンクスとは、紡ぎ車にアリスイを取り付けたもので、紡ぎ車にはアリスイが描かれている。イユンクスは、ゼウスを自分やイーオーに惚れさせるために魔法を使った。ヘーラーは激怒し、彼女をアリスイに変身させた<ref>II. Epistula IIb ad Serapionem und Epistula III ad Serapionem, http://dx.doi.org/10.1515/9783110227710.32, Athanasius Werke Band 1, Teil 1: Epistulae I-IV ad Serapionem, 2010, Berlin, New York, De Gruyter|doi=10.1515/9783110227710.32, isbn:978-3-11-022771-0, 2021-02-09</ref>。
 
神話によるとイユンクスは呪いで[[ゼウス]]を[[イーオー]]かあるいは自分に対して恋するように仕向けたために、女神[[ヘーラー]]によって石像あるいは自分と同じ名前の鳥(アリスイ)に変えられた<ref name="スーダ" /><ref>テオクリトス、第2歌17行への古註。</ref><ref>高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p. 56b。</ref>。
また、ピエラスの娘で、姉妹と一緒にミューズたちと音楽祭に出ようとしたため、鳥のアリスイに変えられてしまったという話もある<ref>Antoninus Liberalis 9. (cited in Smith)</ref>。この鳥は、情熱的で落ち着きのない愛の象徴であり、アプロディーテがイアーソンに与えたもので、イアーソンはこれを回転させ、ある魔法の言葉を発音することによって、メーデイアの愛を呼び覚ましたと言われている<ref>Pindar, Pythian Ode 4. 380, &c.; Tzetzes on Lycophron 310 (cited in Smith)</ref>。
 
 
 
 
 
==神話==
神話によるとイユンクスは呪いで[[ゼウス]]を[[イーオー]]かあるいは自分に対して恋するように仕向けたために、女神[[ヘーラー]]によって石像あるいは自分と同じ名前の鳥(アリスイ)に変えられた<ref name="スーダ" /><ref>テオクリトス、第2歌17行への古註。</ref><ref>高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p. 56b。</ref>。
;鳥
== 研究 ==
イユンクスはしばしば[[イクシーオーン]]とよく似た存在であることが指摘されている。イクシーオーンは[[ゼウス]]の妻[[ヘーラー]]を奪おうとしたが、企みが発覚すると車輪につながれ、「恩人には報いなければならない」と叫びながら永劫に回転し続ける罰を受けた。イユンクスはイクシーオーンの女性版ともいうべき存在であり<ref>ドゥティエンヌ邦訳、p.193。</ref>、両者はいずれも誘惑してはならない者を誘惑したために罰を受け、回転する車輪と関連づけられている<ref>ドゥヴルー邦訳、p.73。</ref><ref name="ドゥティエンヌ">ドゥティエンヌ邦訳、p.187以下。</ref>。同様の共通点はイユンクスの名前で呼ばれたメンテーにも見られる。これら3者についてマルセル・ドゥティエンヌは[[アドーニス]]に関する研究『アドニスの園』の中で構造主義]視点から論じている<ref name="ドゥティエンヌ" />。それによるとイユンクスとイクシーオーンは[[ゼウス]]と[[ヘーラー]]の夫婦関係に害を与えようとし、ミンターもまたハーデースと[[ペルセポネー]]の夫婦関係に害を与える存在として語られており、彼らは儀礼的・神話的に結婚を象徴する神々の夫婦に対して、その仲を引き裂いて自らと結びつけようとする誘惑者であり、[[カリス]](優美)とペイトー(説得)の2つの対立概念の社会的文脈の中に位置付けられていると論じている<ref name="ドゥティエンヌ" />。
 
== 私的考察 ==
== 参考文献 ==

案内メニュー