一方、古代日本には記紀神話があり、天照大神の孫神である「ホノニニギの命(稲穂が実る様の神格化)」が天から降りてきた、という「天孫降臨神話」がある。おそらく、世界各地の農耕起源神話としては、類を見ない複雑なものと思われるが、天孫が降臨する際の先触れの神々、供をする神々、道中で出会う神、と天孫以外にも多くの神々が登場する。しかも、天孫は降臨するのだが、誰かが人々に稲作を教えた、という記述はないようである。稲以外の穀類や野菜類については、共に降臨したのか、元から勝手に大地に存在したのかもはっきりしない。要するに、日本の正式な「農耕起源神話」は、子孫とされる天皇家の権威付けとしての面がとても強く、現実的な実務としての農業を発展させたり、保護したり、という面が非常に乏しいのが一大特徴といえる。しかし、稲作が発生した当初は、そもそも王権というものが存在しない時代であるので、「王権のための神話」は当然、王権が発生した後に作られたもので、本来の農耕起源神話とは大きく異なるものである可能性がある。しかも、日本の神話には、ホノニニギの命の他に、大気都比売神の死体から穀物が生まれた、という伝承があり、穀物が何故、天照大神の孫とされたのかもはっきりしない。一方、古代日本には記紀神話があり、天照大神の孫神である「ホノニニギの命(稲穂が実る様の神格化)」が天から降りてきた、という「天孫降臨神話」がある。おそらく、世界各地の農耕起源神話としては、類を見ない複雑なものと思われるが、天孫が降臨する際の先触れの神々、供をする神々、道中で出会う神、と天孫以外にも多くの神々が登場する。しかも、天孫は降臨するのだが、誰かが人々に稲作を教えた、という記述はないようである。稲以外の穀類や野菜類については、共に降臨したのか、元から勝手に大地に存在したのかもはっきりしない。要するに、日本の正式な「農耕起源神話」は、子孫とされる天皇家の権威付けとしての面がとても強く、現実的な実務としての農業を発展させたり、保護したり、という面が非常に乏しいのが一大特徴といえる。しかし、稲作が発生した当初は、そもそも王権というものが存在しない時代であるので、「王権のための神話」は当然、王権が発生した後に作られたもので、本来の農耕起源神話とは大きく異なるものである可能性がある。しかも、日本の神話には、ホノニニギの命の他に、大気都比売神の死体から穀物が生まれた、という伝承があり、穀物が何故、天照大神の孫とされたのか、経緯がはっきりしない。