禍斗

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禍斗(かと Huotou)は中国南方の少数民族。しかし南方異民族を妖怪化させるため犬の姿をし、犬の糞を食べ、炎を吹き散らす怪物として形容された。禍斗の至ると所では火災が発生するとされ、古代においては火災をもたらす不吉な象徴とされた。また一説では炎を食べ、火を帯びた糞を排出するとも言われる。その名は「火を食う獣」を意味する。

伝承としての禍斗[編集]

妊娠後1ヶ月後の母犬に流星の破片が当たり生まれた犬が禍斗であるとされる。禍斗の外見は普通の犬と同じであるが、禍斗の体毛は黒色であり独特の光沢を帯びている。外見上は怪物であることは分からないが、火神を助け、時に火神がその職を辞した際には火神の職司を司ることもあった。

禍斗は一般の犬が食べる食物には興味を持たず、火神に従い炎を食べるとされる。雷神は雷車に乗り大地を巡幸する際には禍斗は雷神の後ろに従う。雷神が雷斧を振りかざし地上に火災を引き起こすと禍斗は炎の中に飛び出しその炎を食らい、排出する便もまた炎である。禍斗の口から炎が噴出すこともあり、禍斗付近は炎で包まれるとされ、古人の恐怖の対象となった。

また『山海経』によれば、禍斗が食事をしない際には南方海上に位置する厭火国に集まって暮らしているとされる。

山海経他[編集]

禍斗は、中国に古くから伝わる伝説上の生物である。『山海経』には、「南方には厭火の民がおり、火を食べる獣がいる。黒崑崙の近くにある国で、人々は火や炭をよく食べる。火を食べる獣の名は禍斗である。(南は黒崑崙の近く、厭火の国がある。その中には、火の炭を食べることができる人間や、火を食べることができる獣がおり、禍斗と呼ばれている。)」と記されている。また、明の時代の鄺露の『赤雅』に「禍斗は犬のような見た目で、犬の糞を食べる。火を噴くのは、非常に不吉である。」書かれている。(禍斗は犬の糞を食べ、その後に火を噴き、四方を危険にさらすという。これは非常に不吉な兆候である。)『山海経』には、禍斗の体が黒色であることも記されている。

私的考察[編集]

禍斗とは、天災(火事・雷)で「火事を起こすもの」の象徴と思われる。火神(祝融)、雷神の双方に仕えるもの、とされている点が興味深い。天狗の一種ではないだろうか。

参考文献[編集]

  • Wikipeida:禍斗(最終閲覧日:22-11-04)
  • Wikipeida:禍斗(中国後版)(最終閲覧日:22-11-04)
    • 『悪魔事典』 新紀元社、2000年、108-109,358頁。
    • 『山海経』海外南経

関連項目[編集]

  • 天狗(中国)
    • 黒耳:禍斗と同じく「黒」で現される天狗。
  • 禍津日神:性質が類似しているように思うが、関連はあるか?
  • オード:北欧神話のフレイヤの夫