スギの根は菌類と共生し菌根(mycorrhiza)を形成している。スギが形成する菌根は草本植物や熱帯の樹木に多いといわれるアーバスキュラー菌根(arbuscular mycorrhiza, AM)と呼ばれるもので、温帯域で繁栄しているマツ科針葉樹やブナ科広葉樹が形成する外生菌根(ectomycorrhiza)とは異なるものである。同一個体における菌根菌への感染率は季節を通じて常に一定ではなく変動があるという<ref>畑邦彦・木本遼太郎・曽根晃一 (2018) スギ成木および実生におけるアーバスキュラー菌根菌の感染率の季節変化. 日本林学会誌100(1), pp. 3 - 7. doi:10.4005/jjfs.100.3</ref>。マツ科針葉樹ではしばしばアレロパシー(他感作用)を持ちほかの植物の生育を阻害しているする報告がしばしばある<ref>Il Koo LEE, Masami MONSI. (1963) Ecological Studies on ''Pinus densiflora'' Forest 1 -Effects of Plant Substances on the Floristic Composition of the Undergrowth-. The Botanical Society of Japan 76(905), pp. 400 - 413. doi:10.15281/jplantres1887.76.400</ref><ref>高橋輝昌・鷲辺章宏・浅野義人・小林達明, (1998) 木本類における他感作用. ランドスケープ研究62(5), pp. 525 - 528. doi:10.5632/jila.62.525</ref>が、スギでは特に知られていない。ただし、スギが混交するブナ科森林では外生菌根を形成する菌根菌の種類が減少するという報告がある<ref>岡部宏秋,(1994) 外生菌根菌の生活様式(共生土壌菌類と植物の生育). 土と微生物24, pp. 15 - 24.doi:10.18946/jssm.44.0_15</ref>
スギが植えられた場所は[[カルシウム]]などの塩基が蓄積し土壌は塩基性に傾くというスギが植えられた場所はカルシウムなどの塩基が蓄積し土壌は塩基性に傾くという<ref>澤田智志・加藤秀正 (1991) スギおよびヒノキ林の林齢と土壌中の塩基の蓄積との関係. 日本土壌肥料学雑誌62(1), pp. 49 - 58. {{doi|:10.20710/dojo.62.1_49}}</ref>。
スギは雪に強いのも生態的な特徴の一つになっている。特に多雪環境で進化したウラスギの系統は[[ブナ]](''Fagus crenata'')と並び日本のの樹木では最も多雪環境に対応したものの一つとされる<ref> 酒井昭 (1977) 植物の積雪に対する適応. 低温科学生物編34, pp. 47 - 78. {{hdl|:2115/17828}}</ref>。更新は種子によるものの他に枝が接地したところから発根し個体を増やす[[取り木]]的な伏条更新を取ることで知られ、特にウラスギ系統は伏条更新の報告が多い。更新は種子によるものの他に枝が接地したところから発根し個体を増やす取り木的な伏条更新を取ることで知られ、特にウラスギ系統は伏条更新の報告が多い<ref>平英彰, (1994) タテヤマスギの更新形態について. 日本林学会誌76(6), pp. 547 - 552. {{doi|:10.11519/jjfs1953.76.6_547}}</ref><ref>川尻秀樹・安江保民・大橋英雄・中川一 (1989) 岐阜県板取村のカブスギ集団の実態. 日本林学会誌71(5), pp. 204 - 208. {{doi|:10.11519/jjfs1953.71.5_204}}</ref>。これも多雪環境に対する適応とみられる。その反面冬季の低温と乾燥に対し日本海側のスギは太平洋側のものよりも弱いことが指摘されている<ref>武藤惇・堀内孝雄 (1974)スギ種子産地と寒害抵抗性. 日本林学会誌56(6), pp. 210 - 215. {{doi|:10.11519/jjfs1953.56.6_210}}</ref>。多雪に適応するが乾燥や低温に弱く分布が限られるという事例はほかの植物であっても[[ユキツバキ]](''Camellia rusticana'')と[[ヤブツバキ]](''C. japonica'')の関係<ref>石沢進 (1985) 植物の分布と積雪―新潟県およびその周辺地域について―. 芝草研究14(1), pp. 10 - 23. {{doi|:10.11275/turfgrass1972.14.10}}</ref>、[[ブナ属]]と[[コナラ属]]の関係、ブナ属とコナラ属の関係<ref>[[中静透]] (2003) 冷温帯林の背腹性と中間温帯論. 植生史研究11(2), pp. 39 - 43. {{doi|:10.34596/hisbot.11.2_39}}</ref>などでもしばしば指摘される。
土壌の表層があるような個所では実生の定着が悪く、秋までにほとんど死滅してしまうという<ref>冨沢日出夫・丸山幸平 (1993) 佐渡島のスギ天然林における実生更新の可能性. 日本林学会誌75(5), pp. 460 - 462, {{doi|10.11519/jjfs1953.75.5_460}}</ref>。特に屋久島や積雪地の個体群では実生の生存には倒木の存在が重要であることがしばしば指摘され<ref>Eizi SUZUKI (1996) The dynamics of old ''Cryptomeria japonica'' forest on Yakushima Island. Tropics 6(4), pp. 421 - 428. {{doi|10.3759/tropics.6.421}}</ref><ref>太田敬之・杉田久志・金指達郎・正木隆 (2015) スギ天然生林におけるスギ実生の分布と生存―出現基質間の比較―. 日本森林学会誌.97(1), pp. 10 - 18. {{doi|10.4005/jjfs.97.10}}</ref>、実生で更新する場合はいわゆる[[倒木更新]](nurse log)・切株更新を採る樹種であると見られている。