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=== 仏教の風神 ===
'''風天'''(ふうてん)は、[[仏教]]における[[天部]]の一尊で、[[十二天]]の一。[[インド神話]]の風神である[[#ヴァーユとヴァータ|ヴァーユとヴァータ]]を起源とし、[[バラモン教]]を通じて仏教に取り込まれた風の神である。{{-}}(ふうてん)は、仏教における天部の一尊で、十二天の一。インド神話の風神であるヴァーユとヴァータを起源とし、バラモン教を通じて仏教に取り込まれた風の神である。
=== インドの風神 ===
==== ヴァーユとヴァータ ====
{{Main|ヴァーユ}}[[ファイル:Vayu deva.JPG|thumb|120px|{{center|風神ヴァーユ}}]]風神'''ヴァーユ'''は、日常の風を司る。その名は[[サンスクリット]]で「風」を意味する。[[アーリア人]]最古層に属する神である。ほとんど違いの無い存在として風神は、'''日常の風'''を司る。その名はサンスクリットで「風」を意味する。アーリア人最古層に属する神である。ほとんど違いの無い存在として風神'''ヴァータ'''があるが、ヴァーユのほうがやや人間的な特徴を帯びている。[[バラモン教]]の神としてヴァーユとヴァータは[[仏教]]にも採り入れられ、[[風天]]の起源となった。また、風は[[大気]]であり、大気は常に人の周りにもありながら神羅万象の根本に関わるきわめて重要なものであり、気([[プラーナ]])でもある。この[[世界観]]は[[バラモン]]も認めるところで、それゆえにバラモン教最古の[[聖典]]『[[リグ・ヴェーダ]]』の時代から英雄神があるが、ヴァーユのほうがやや人間的な特徴を帯びている。バラモン教の神としてヴァーユとヴァータは仏教にも採り入れられ、風天の起源となった。また、風は大気であり、大気は常に人の周りにもありながら神羅万象の根本に関わるきわめて重要なものであり、気(プラーナ)でもある。この世界観はバラモンも認めるところで、それゆえにバラモン教最古の聖典『リグ・ヴェーダ』の時代から英雄神[[インドラ]]と並び称されるべき存在として語られた。とは言え、世俗において圧倒的人気を誇るインドラとは讃歌の数にかなりの開きがあり<ref group="注">インドラの讃歌は、例えば『リグ・ヴェーダ』では、全1200編の讃歌の中で約4分の1を占める。</ref>、さすがに後塵を拝してはいる。
==== マルト神群 ====
{{Main|マルト神群}}
[[ファイル:Musée Guimet 897 04.jpg|thumb|150px|{{center|マルト神群}}]]
[[暴風雨]]を司るのは'''マルト神群'''で、彼らもアーリア人最古層に属する極めて古い神々である。独立した神群であるが、バラモン教の聖典『[[リグ・ヴェーダ]]』において最も多くの讃歌を捧げられている[[英雄]]神[[インドラ]](※武勇などを司る[[雷神#世界の雷神|雷霆神]])と共に謳われる際は、インドラ神に付き従う神々という位置付けになり、それゆえに彼らにも多くの讃歌が捧げられている。
==== ルドラ ====
{{Main|ルドラ}}
{{Double image aside|right|Rudra.gif|120|Shiva as the Lord of Dance LACMA edit.jpg|142|{{center|暴風神ルドラ}}|{{center|シヴァ神}}}}
暴風神'''ルドラ'''は、破壊的な暴風雨と、それが過ぎ去ったあとに訪れるすべてを生まれ変わらせるような爽快感を司る。その名は「咆哮者」の意。[[サイクロン]]の神格化ともいわれ、[[パンジャーブ]]へ侵入して以降のアーリア人が信仰するようになったと考えられる。最初の[[ヴェーダ]]である『リグ・ヴェーダ』の段階では、まだほとんど謳われることが無い。
=== メソポタミアの風神 ===
 
==== エンリル ====
{{Main|エンリル}}
[[ファイル:Iranian - Cylinder Seal - Walters 42775 - Side E.jpg|thumb|130px|{{center|エンリル}}]]
[[シュメール神話]]に登場する風と[[暴風雨]]の神'''エンリル'''は、都市[[ニップル]]の[[守護神]]にして[[シュメール]]の(事実上の)最高神である<ref group="注">世界各地の多くの神話の例も漏れず、[[天空神]]にして[[創造神]]で最高神の[[アヌ (メソポタミア神話)|アヌ]]は、[[歴史時代|有史時代]]の初めの時点ですでに「[[暇な神]]([[:en:Deus otiosus|Deus otiosus]];デウス・オティオースス」になっている。いわば「[[隠居]]の身」であり、代わって実務は第2位のエンリルが執り行っている。</ref>。神々でさえ直接見ることの叶わないほど畏れ多いエンリルを祀ったことでニップルは一大[[聖地]]となり、諸勢力が争奪を繰り返すこととなった。シュメールの時代が終わってもニップルは[[メソポタミア]]の宗教的中心地という地位を失うことなく、大国による激しい争奪戦の的となり続けた。短慮で激情家のエンリルは人間に対して情け容赦のない存在で、敵の[[侵略]]による都市の滅亡も、[[大洪水]]をはじめとする[[天変地異]]も[[疫病]]も、すべてはわがままなこの神の破壊衝動のなせる業であるが、暴風雨がそうであるように最後には恵みと新たな[[秩序]]をもたらしてくれる。ただしそれらは人間を慈しんでのことではないという。

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