ある伝説では、オェングスは白馬に乗り、春に約束の地(the Land of Promise)からやってきた<ref name="Mackenzie" />。『ディンセンチャス(the Dindsenchas)』には、エオク(Eochu)とアブレンド(Ablend)が家畜を連れて野営しているときに、オェングスが素早い馬を提供する「トゥアグ・インベル(Tuag Inber)」という物語が伝えられている。ロック・リー(Loch Ri)の詩は、登場人物の名前が異なることと、オェングスがミディールに置き換わっている以外は、「Tuag Inber」とほぼ同じである<ref>[https://celt.ucc.ie//published/T106500C/text084.html ''The Metrical Dindsenchas'': "Loch Ri," Poem 84]</ref>。
== 私的解説 ==
=== 桂男的な性質について ===
スコットランドの伝承で、オェングスの鳥が木と対立する物語がある。明確にオェングスと木が戦う神話はないようだが、かつては桂男的な神話があったのではないだろうか。
その点が失われ、薄れてしまっている代わりに、オェングスに「再生させる神」としての性質が与えられているように思う。これが遙か古代において「女神」の仕事とされていたのであれば啓思想により男神の仕事として置き換えられてしまったものと考える。
オェングスには啓のように母神に逆らう神話もあり、インド神話のシヴァを彷彿とさせる側面もある。かなり複合的な性質を持つ神といえる。「息子神」であることが強調される点はギリシア神話のディオニューソスを思わせる。
== 参考文献 ==
* [[白犬]]:中国神話の霊犬。子音的にオェンガスに関連するか?
* [[天邪鬼]]
* [[桂男]]:木と対立することがある点が類似している。
== 外部リンク ==
[[Category:啓型神]]
[[Category:鳥]]
[[Category:木と戦う神]]