業を煮やした[[ウェヌス]]は息子[[クピードー]]の火傷の介抱で衰えた美貌を補うために冥府の女王[[プロセルピナ]]に美をわけてもらってくるよう命ずる。首尾よく美をわけてもらったプシューケーだが、自分の容色も衰え[[クピードー]]の愛も失うのではと不安になり、箱を開けないよう警告されていたにもかかわらず開けてしまう。しかし、中には冥府の眠りが入っていた<ref group="私注">これはプシューケーの死を意味する。</ref>。
傷の癒えた[[クピードー]]は昏倒している妻から冥府の眠りを取り去って箱に集め、[[ユーピテル]]にとりなしを頼む。[[ユーピテル]]は[[クピードー]]が良い女を見つけたら紹介することを条件にとりなしを了承する。[[ユーピテル]]はプシューケーに神の酒[[ネクター|ネクタール]]を飲ませ神々の仲間入りをさせた<ref>[[ネクター|ネクタール]]とはいわゆる「[[不老不死の薬]]」である。ローマ神話では神々の長である[[ユーピテル]]が自由に利用できるもののようである。</ref>。[[プシューケー]]はもう人間でないのだから身分違いの結婚ではないと説明され、[[ウェヌス]]もやっと納得した。かくて魂は愛を手に入れ、二人の間にはウォルプタース(「喜び」、「悦楽」の意)という名の子が生まれた。女神となったプシューケーが絵画に描かれるときには、'''蝶'''の翅を背中に生やした姿をとる例が多々見られる<ref>この物語ではプシューケーの死と再生は蝶の幼虫と羽化になぞらえられていることが分かる。</ref>。
== 私的解説 ==