年神の子神の内に、[[大山咋神]]といった秦氏系の神がいることから、この神の存在意義の一つは'''[[須佐之男命]]と渡来系氏族、特に秦氏系を接続すること'''にあるように思う。また、子神の中に「日の神」がいることから、場合によっては[[天照大御神]]の地位を低下させると共に、[[須佐之男命]]を'''男性系の太陽神へと関連づけて炎帝的な神へと昇格させる布石のための神'''、ともいえるかもしれないと思う。(あるいは[[須佐之男命]]が男性形の太陽神であることの暗喩ともいえようか。)また、子神に[[大香山戸臣神]](おほかぐやまとみ)という名の神がおり、[[天香山命]]と名前が類似している。すなわち、'''[[天香山命]]の子孫である尾張氏、物部氏を[[須佐之男命]]の子孫へと接続するための神'''、ともいえると考える。また'''屋敷や田(稲作)に関する職能を[[須佐之男命]]が独占するための神'''、ともいえると考える。
年神が毎年若返る、とされている点は、樹木神であり月神(月に生えている樹木の神)である[[須佐之男命]]が、「[[不老不死の薬]]」の持ち主でもあることを暗示させる。彼は[[不老不死の薬]]によって「1年」が死すべき年末になっても「若い神」として再生できるのである。[[須佐之男命]]が牛の神である[[牛頭天王]]と「同じもの」であるとして、その妻で龍王の娘である[[頗梨采女]]には[[河伯]]の娘である[[柳花夫人]]の姿が投影されているように思う。[[柳花夫人]]は[[逃走女神]]で、その名前は嫦娥の別名である、ともいえる。で、その名前は[[嫦娥]]の別名である、ともいえる。[[頗梨采女]]が年神と考えられた理由は、彼女もまた嫦娥であって、「[[不老不死の薬]]」の所有者であり、若返りを繰り返す神である、と考えられたからではないだろうか。」の所有者であり、若返りを繰り返す神である、と考えられたからではないだろうか。日本神話で顕著な 竜神の娘神が[[嫦娥]]的な女神で若返りを伴う「[[不老不死の薬]]」を持つ。 という思想は竜神の娘の乙姫の寵愛を失った浦島太郎が、急激に若さを失って年をとったのと対をなすものであると思う。
==関連項目==