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; 『万葉集』
* 月読 ヨ乙・ミ甲 .月夜見 ヨ甲・ミ甲 .月余美 ヨ乙・ミ甲
以上のように、『記紀万葉』においてツクヨミの「ミ」はいずれも[[か行#上代特殊仮名遣|甲類]]で一致しているが、ヨの甲乙は両方にまたがり、「ユ」の例すらある。以上のように、『記紀万葉』においてツクヨミの「ミ」はいずれも甲類で一致しているが、ヨの甲乙は両方にまたがり、「ユ」の例すらある。
ヨ、ユ音に着目して表記例をまとめると、
ツクヨミの神名については、複数の由来説が成り立つ。
まず、最も有力な説として、「月を読む」ことから暦と結びつける由来説がある<ref name="八百万の神々" />。上代特殊仮名遣では、「暦や月齢を数える」ことを意味する「読み」の訓字例「余美・餘美」がいずれもヨ乙類・ミ甲類で「月読」と一致していることから、ツクヨミの原義は、日月を数える「読み」から来たものと考えられる。例えば暦=コヨミは、「日を読む」すなわち「日数み(カヨミ)」である<ref>『[[#神道の本|神道の本 『神道の本 - 八百万の神々がつどう秘教的祭祀の世界]]』53頁。八百万の神々がつどう秘教的祭祀の世界』53頁。</ref>のに対して、ツキヨミもまた月を読むことにつながる。
「読む」は、『万葉集』にも「月日を読みて」「月読めば」など時間(日月)を数える意味で使われている例があり、また暦の歴史を見ると、月の満ち欠けや運行が暦の基準として用いられており、世界的に[[太陰暦]]が[[太陽暦]]に先行して発生した。「一月二月」という日の数え方にもその名残があるように、月と暦は非常に関係が深いつまり、ツクヨミは日月を数えることから、暦を司る神格であろうと解釈されている「読む」は、『万葉集』にも「月日を読みて」「月読めば」など時間(日月)を数える意味で使われている例があり、また暦の歴史を見ると、月の満ち欠けや運行が暦の基準として用いられており、世界的に太陰暦が太陽暦に先行して発生した。「一月二月」という日の数え方にもその名残があるように、月と暦は非常に関係が深いつまり、ツクヨミは日月を数えることから、暦を司る神格であろうと解釈されている<ref name="八百万の神々" />。
その他にも、海神の[[ワタツミ]]、山神の[[オオヤマツミ]]と同じく、「ツクヨのミ」(「ツクヨ」が月で「ミ」は神霊の意)から「月の神」の意とする説があるその他にも、海神のワタツミ、山神のオオヤマツミと同じく、「ツクヨのミ」(「ツクヨ」が月で「ミ」は神霊の意)から「月の神」の意とする説がある<ref>『広辞苑』1779頁。</ref>。
このようにはっきりと甲乙の異なる「ヨ」や、発音の異なる「ユ」の表記が並行して用いられていること、そして『記紀万葉』のみならず『延喜式』などやや後世の文献でも数通りの呼称があり、表記がどれかに収束することなく、ヨの甲乙が異なる「月読」と「月夜見」表記が並行して用いられている。
[[Category:妻殺し]]
[[Category:馬]]
[[Category:兎]]

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