災害においては、自然が飢えて生贄を求め猛威を振るっているとして、大規模な災害が起こる前に、適当な人身御供を捧げる事で、災害の発生防止を祈願した。
山がちな日本の国土では、河川は急流が多く、たびたび洪水を起こす。古代人はこれを、河川のありようを司る水神が生贄を求めるのだと考えた。龍神伝承では、直接的に龍に人身を差し出したと伝えられるが、実際には洪水などの自然災害で死亡する、またはそれを防止するために河川に投げ込まれる、人柱として川の傍に埋められる等したのが伝承の過程で変化して描写されたと考えられている<ref group="私解私注">竜神あるいは龍神というのは古代中国付近で発生したもので、古代中国でも川の神に生贄を捧げていたので、川の神に対する生贄の思想は古代中国から伝播したものとするべきであると管理人は考える。</ref>。
これらは後に人身を殺害して捧げる行為が忌避されるにつれ、人の首(切り落とされた頭)に見立てて作られた饅頭や、粘土で作った焼き物(埴輪・兵馬俑)等の代用品が使用されたり、または生涯を神に捧げる奉仕活動を行うという方向に改められるなどして、社会の近代化とともに終息していった<ref group="私解">人身御供を忌避する、という思想も非常に古くから存在している。人類の歴史は、人身御供を推進する集団と、そうでない集団との果てしない戦いであるとも個人的には思える。</ref>。