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大渓文化の石器の人面(あるいは神面)は玉鉞王の神面と同様、'''首だけで現されている'''。そして、上部にもう一人の鳥神の紋はついていない。そして、髪の毛がないことから、これも'''弁髪'''なのではないか、と個人的には思う。'''弁髪の神'''が登場する点は[[城背渓文化]]を受け継いでいるが、首のみで現される神に変化し、武器(軍事力)に関する何らかの社会的地位(王権や首長の権利)の象徴と明確にされた点は、良渚文化に引き継がれたのではないだろうか。梅原、安田の説によると、大渓文化で、王というものが登場したのではないか、とのことである<ref>長江文明の探求、梅原猛、安田喜憲共著、新思索社、p110-111</ref>
大渓文化の担い手は、Y染色体ハプログループから、ミャオ族と考えられている。中国のミャオ族には祖先を蚩尤とする言説があるそうである。大渓文化の担い手は、Y染色体ハプログループから、ミャオ族と考えられている。中国のミャオ族には祖先を蚩尤とする言説があるそうである。タイのミャオ族の精霊信仰では、精霊は基本的にダー (Dab) と呼ばれるが、さまざまな種類と呼び名がある、とのことである。「陰界の精霊」として <blockquote>陰界にはツォー・ニュン (Ntxwj Nyug) と呼ばれるあの世を統括する精霊がおり、死者の魂を審判し、転生の先を決めるとされている。さらにニュー・ヴァー・'''トゥアム・テーム''' (Nyuj Vaj Tuam Teem) がその仕事を補佐しており、魂の年齢を管理している。シャーマンの守護精霊 (Siv Yis) もここに住むといわれる。</blockquote> という伝承があるそうである。一方中国では、「'''饕餮'''は黄帝によって討たれた蚩尤の首をあらわしている。」という説もある。饕餮紋は後の中原でも王権に関わる紋とされた。 すなわち、'''殺された蚩尤が冥界で饕餮となって、冥界神の仕事を補佐している。死後、そうなったように蚩尤は生前偉大な王だったので、その子孫は偉大な王である'''、ということの象徴が、首だけになって死んでいる獣面紋の意味なのではないだろうか。良渚文化の獣面紋は「'''原始饕餮紋'''」と言い得るもので、ギリシア神話の'''[[ラダマンテュス]]'''(これも名前の中にTの子音が2個重なる神人である)と類似したものだったと考える。
== 参考文献 ==

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