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<blockquote>物部氏の祖神である'''饒速日命'''(にぎはやひのみこと)が天から地上に降りる際に、天神御祖(あまつかみみおや)から'''十種神宝'''(とくさのかんだから)(十種類の宝物)を授かった。その際に天神御祖は『汝命、この瑞宝を以ちて、豊葦原の中国に天降り坐して、御倉棚に鎮め置きて、蒼生の病疾の事あらば、この十種の瑞宝を以ちて、「一二三四五六七八九十」と唱へつつ、布瑠部由良由良と布瑠部、かく為しては死人も生反らむ』と述べた。</blockquote>
とされる。この饒速日命が天神御祖から教わった祝詞が「'''布瑠の言'''」であり、'''十種神宝'''と併せて祭祀すると、死者をも蘇生させるような効果があるとされた。石上神宮では、主祭神を'''布都御魂大神'''(ふつのみたまのおおかみ)(神体の'''布都御魂剣'''(ふつのみたまのつるぎ)に宿る神霊)、配神の一つに'''布留御魂大神'''(ふるのみたまのおおかみ)(十種神宝に宿る神霊)を祀る。死者を蘇らせるような性質と剣の霊という性質の2つ神霊に分けられているが、饒速日命とその子孫が奉祭する石上神宮全体としては、この2つの性質は「神宮の特性」として一体化しており、ケルト神話のフィン・マックールが軍事的英雄であり、かつ瀕死の者も救うような医薬神的性質を持つ者でもあったことに通じるように思う。布洛陀も本来は、軍神でもあり、医薬神的性質を持つ者でもあったのではないだろうか。(ふるのみたまのおおかみ)(十種神宝に宿る神霊)を祀る。死者を蘇らせるような性質と剣の霊という性質の2つ神霊に分けられているが、饒速日命とその子孫が奉祭する石上神宮全体としては、この2つの性質は「神宮の特性」として一体化しており、ケルト神話のフィン・マックールが軍事的英雄であり、かつ瀕死の者も救うような医薬神的性質を持つ者でもあったことに通じるように思う。布洛陀も本来は、軍的英雄でもあり、医薬神的性質を持つ者でもあったのではないだろうか。
「'''ヒョウを征服する(制伏豹子)'''」の伝承では、布洛陀の医薬神的性質が窺えるように思う。布洛陀は草豹が好きではないが、草豹の苦しみと悲しみは、妊娠しても胎児が育たず、生まれても子が育たない、という点にある。

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