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== 再話文学 ==
=== 『カーソンの詩』 ===
『カーソンの詩』 (''"Carthon: A Poem"'') は[[ジェイムズ・マクファーソン (詩人)|ジェイムズ・マクファーソン]]による再話。ここではコンラに相当する人物ははジェイムズ・マクファーソンによる再話。ここではコンラに相当する人物は'''カーソン''' (Carthon) という名であり、クー・フーリンに相当する彼の父親はクレサモー (Clessámor) である。マクファーソンの作品群に共通する特徴であるが[[フィン・マックール]]に相当する人物であるフィンガルも登場する。
母モイナ (Moina) と死に別れたカーソンは父親の顔を知らないままバルクルーサ (Balclutha) の地で成長した。コンホールの侵攻によりバルクルーサは陥落するが、カーソン本人は難を逃れた。カーソンはコンホールの子孫への復讐を誓い、コンホールの息子フィンガルの軍勢との戦闘に挑む。カーソンはフィンガルの下で戦っていた父親クレサモーと遭遇し、彼との戦いの中で致命傷を負った。自分が名を残せないままこの世を去る事を嘆くカーソンに対し、フィンガルは敵である彼の死を悼み、彼の詩を語り継ぐ事を誓った。{{sfn|<ref>木村|, 2011|page=144}}, p144</ref>
=== 『クー・フーリンの死 (海と戦うクー・フーリン) 』 ===
『クー・フーリンの死』はW.B.イェイツによる再話。イェイツによれば、先に触れた ''"Myths and Folk Tales of Ireland"'' に採取された民話を主な下敷きとしている。表題通り結末でクー・フーリンは死亡するが、後に『海と戦うクー・フーリン』 (''"Cuchulain's Fight with the Sea"'') と改題された際に生死に関する描写が除去されるなど様々な変更がなされた。この節の記述は改題前の『クー・フーリンの死』の描写に基づく。この再話ではクー・フーリンに殺される彼の息子は'''フィンモール''' (Finmole) という名であり、母親は『アイフェの一人息子の最期』では別の立場で登場したエウェルである。
『クー・フーリンの死』は[[ウィリアム・バトラー・イェイツ|W.B.長年託っていた夫クー・フーリンからの不遇により、エウェルは悪知恵の働く毒婦へと変貌してしまっていた。彼女は息子フィンモールが成長しクー・フーリンが年老いたことから、復讐の条件が整った事を悟る。エウェルは父親の顔を知らないフィンモールに対し、父子が共に「剣を取った者にしか名を名乗ってはならない」という誓いを立てていることを利用すればクー・フーリンを赤枝騎士団の中から探し出せると教え、彼を殺害するよう命じる。決闘の末クー・フーリンは勝利を収めるが、殺害した相手が息子のフィンモールだったことを知ると心痛に沈み込んでしまった。クー・フーリンの主コンホヴァル王は、クー・フーリンが三日間の沈黙の後に怒号と共に自分たちを虐殺するだろう事を察し、配下のドルイド達に儀式を行わせて幻術を掛け、彼を海と戦うよう仕向けた。王の予想通りクー・フーリンは沈黙の後幻術の中で四日間海と戦い、この世を去った。<ref>イェイツ]]による再話。イェイツによれば、先に触れた ''"Myths and Folk Tales of Ireland"'' に採取された民話を主な下敷きとしている。表題通り結末でクー・フーリンは死亡するが、後に『海と戦うクー・フーリン』 (''"Cuchulain's Fight with the Sea"'') と改題された際に生死に関する描写が除去されるなど様々な変更がなされた。この節の記述は改題前の『クー・フーリンの死』の描写に基づく。この再話ではクー・フーリンに殺される彼の息子は'''フィンモール''' (Finmole) という名であり、母親は『アイフェの一人息子の最期』では別の立場で登場したエウェルである。 長年託っていた夫クー・フーリンからの不遇により、エウェルは悪知恵の働く毒婦へと変貌してしまっていた。彼女は息子フィンモールが成長しクー・フーリンが年老いたことから、復讐の条件が整った事を悟る。エウェルは父親の顔を知らないフィンモールに対し、父子が共に「剣を取った者にしか名を名乗ってはならない」という誓いを立てていることを利用すればクー・フーリンを赤枝騎士団の中から探し出せると教え、彼を殺害するよう命じる。決闘の末クー・フーリンは勝利を収めるが、殺害した相手が息子のフィンモールだったことを知ると心痛に沈み込んでしまった。クー・フーリンの主コンホヴァル王は、クー・フーリンが三日間の沈黙の後に怒号と共に自分たちを虐殺するだろう事を察し、配下の[[ドルイド]]達に儀式を行わせて幻術を掛け、彼を海と戦うよう仕向けた。王の予想通りクー・フーリンは沈黙の後幻術の中で四日間海と戦い、この世を去った。{{sfn|イェイツ|, 1990|pages=28, p28-38}}</ref>
== バラッド ==
[[カナダ]]の[[ノバスコシア州]]にはカナダのノバスコシア州には''"The Sons of North Britain"''という5/4拍子の[[バラッド]]が伝えられてきた。その歌詞の内容からブリテン諸島にルーツを持ち、コンラとクー・フーリンの説話を下敷きとしたものだと考えられている。4拍子のバラッドが伝えられてきた。その歌詞の内容からブリテン諸島にルーツを持ち、コンラとクー・フーリンの説話を下敷きとしたものだと考えられている。
この歌ではコンラに相当する父親に殺される息子は二人の兄弟となっており、姓はマンロー (Munroe) とされる。7年前、スコットランドに置き去りにされた兄弟は両親を探していたが、偶然遭遇した父親に胸を撃ち抜かれてしまった。辛うじて息のあった兄の言葉から父親は彼らが自分の息子であったことを知る。兄は最後に、母親がもしまだ生きているのなら彼女を苦しめないよう自分たちの死は伏せておいてほしいと父親に言い残し、息を引き取った。{{sfn|Barry|1913|pages=183-184}}

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