3,718 バイト追加
、 2024年12月3日 (火)
'''八束水臣津野命'''(ヤツカミズオミツノ)、'''淤美豆奴神'''(オミヅヌ)は、日本神話の神。
== 概要 ==
『古事記』において[[須佐之男命]]の4世孫とされ、『日本書紀』には登場しない。粟鹿神社の書物『粟鹿大明神元記』には'''意弥都奴'''と記述されている。十七世神(とおまりななよのかみ)の一柱である国津神。
名称や母親<ref>國學院大学 古事記学センター 天之都度閇知泥神</ref>の系譜から水にまつわる神と考えられる。「淤」は「大」の音約、「美豆」は「水」、「奴」は「主」で、名義は「偉大な水の主」とされる<ref>新潮日本古典集成 古事記 付録・神名の釈義</ref>。
『出雲国風土記』に国引きを行った'''八束水臣津野命'''(ヤツカミズオミツノ)の別名として'''意美豆努命'''(オミヅヌ)とあることから、この二神は同一神と考えられる<ref>『日本大百科全書』においても同一視している</ref>。
長浜神社においては八束水臣津野命と淤美豆奴神を別神として扱っており、それぞれ国引きの神、妙見の神として祀っている。
北居都神社([[岡山県]][[岡山市]][[東区 (岡山市)|東区]]東平島)では須佐之男命の御子神とされ、弟の[[ツキホコトオヨルヒコ|衝鉾等乎留比古命]]と共に開拓神として祀られている。
== 八束水臣津野命 ==
『出雲国風土記』[[意宇郡]]の条に記載されている国引き神話の主人公で、風土記の中で[[スサノオ|須佐能袁命]]や[[大国主|大穴持命]]との系譜に関する記述はない。
ただし赤衾伊農意保須美比古佐和気能命という御子神がいるとされる。
八束水臣津野命は「八雲立つ出雲の国は、狭い布のような国であることよ。最初に国を小さく作ってしまった。それ故、作って縫いつけよう」と言った。そして[[新羅]]・[[高志]]など各地の岬を切り取って綱で引き、繋ぎ合わせて出雲国を大きくしたとされる。
{{main|国引き神話}}
また[[島根]]の地名由来や[[出雲大社|杵築宮]]の起源としても登場する。
== 系譜 ==
深淵之水夜礼花神が天之都度閇知泥神を娶って産んだ神で、[[布怒豆怒神]]の娘の布帝耳神を娶って天之冬衣神を産んでいる。
出雲国風土記には赤衾伊農意保須美比古佐和気能命という御子神がいるとされる。
長浜神社では八束水臣津野命と布帝耳神の子とされている。
== 祀る神社 ==
* [[長浜神社]]([[島根県]][[出雲市]]西園町)
* 富神社(島根県出雲市[[斐川町]]富村)
* [[諏訪神社]](島根県出雲市別所町)
* 國村神社(島根県出雲市[[多伎町]]久村)
* 須多神社(島根県[[松江市]][[東出雲町]]須田)
* 佐比売山神社(島根県[[大田市]]鳥井町鳥井)
* 龍岩神社(島根県[[邑智郡]][[邑南町]]八色石)
* 北居都神社(岡山県岡山市東区東平島)
* [[金持神社]]([[鳥取県]][[日野郡]][[日野町 (鳥取県)|日野町]]金持)
* 美濃夜神社([[三重県]][[津市]][[芸濃町]]雲林院)
== 関連項目 ==
* [[大物主神]]
== 外部リンク ==
* [https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/omizununokami/ 淤美豆奴神 – 國學院大學 古典文化学事業]
== 脚注 ==
{{DEFAULTSORT:やつかみすおみつののみこと}}
[[Category:日本神話]]
[[Category:黄帝型神]]
[[Category:水神]]
[[Category:犬]]