<blockquote>
'''大きい男の話'''
1.ある家にいと小さき男ありけり。母親、一日その者の睾丸を抜き去りたるに、年とともに大きくなりて、頭は裏口に出ずるも足はなお表口にあるほどとなり。今は家にあることも叶わねば、山に行きて洞窟に住居せり。されど不便にて耐えかねたれば、母を怨み、ついに親殺しの大罪を犯せり。かかる男なれど、ある時病に罹りて弱りたりしが、多くの熊来たりて咬み殺せり。昔熊は、十匹二十匹と群をつくりて往来せしものなりきとなん。<ref>神々の物語 台湾原住民文学選5 神話・伝説・昔話集、紙村徹編・解説他、草風館、315-316p</ref>
</blockquote>