頭のない人々:甲骨文字

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「人」を示す甲骨文字は、人間の頭部を強調しない文字から発生したことが分かる。そのため、このような文化から生じた文字をいくつか紹介したい。

このような系統の文字には、他に「及」「反」「比」等が存在する。「天」という文字は例外的にやや頭部が強調されているが「頁」という文字に比べれば、その割合は少ないといえる。これらの文字を見て感じることを挙げてみたい。

  • 農業に関する文字が少ない。
  • 「男性が何か武器的なものを持つ姿」で描かれていることが目立つ。
  • ムチを持つ姿は牧畜系の人、武器的なものを持つ姿は好戦的な人であることが示唆される。
  • 玉を好む人である。
  • 「北」という方角に関連性があるかもしれない。
  • 「夷」という文字は、時代が下ると中国東北部に住む異民族のことを指すようになる。
  • 「父」という文字は、この文字が意味するものは「父権制社会」において重要なものであるため、そのような人と関連性があると思われる。(母権性社会では「家」にとって大事なのは「母」であって、父親の存在はそれほど重要ではないのである。「夫」という存在も同様といえる。)

特に「夷」という文字は「異民族」を示す言葉であるので、文字というものが発明された時代からそのような人々の存在が中国では認識されていたことを覗わせる文字である。文字の起源が存在するような古い時代において、中国東北部に存在していた住人の代表格といえば「遼河文明」を興した人々といえよう。豚を主体として牧畜を行い、玉を愛好し、父権制がいち早く台頭したのもまた遼河文明である。要するに「夷」という文字の起源は「遼河文明」(紀元前6200年~紀元前500年)を興した人々を指す文字にあり、彼らに関わる文字は「頭部が強調されない人」として現されているように感じるのである。また「天」や「夫」という文字は、手足の他に「男性の象徴」と思われる横棒が1本余計に付加されており、男性とは「天のような存在であり、夫でもある」という思想があったことが読み取れる。
この文明を興した人々にとっては、男性は「月」でもあり「豚」でもあったのであろう。特に紅山文化(紀元前4700年頃~2900年頃)から、瞳の色が碧の女神像が出土したことは先にも述べた通りである。

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