何から書きましょうか? と思うわけですが。
「回復した人の3割が十分な抗体を持たず」と中国の研究結果:新型コロナウイルス
というニュースが入ってきました。「軽度の新型コロナウイルス感染症から回復し、上海公衆衛生臨床センターから退院した175名の」うち、「約30%は抗体レベルが極めて低く、そのうち10名はその抗体力価が検出可能な最低レベルを下回っていた。また、高齢であるほど抗体レベルが高い傾向があり、60歳から85歳の被験者は、15歳から39歳までの被験者よりも、抗体力価が3倍高かった。」とのことです。で、「回復した人が再び陽性となる症例が複数確認されている」とのことです。
一般的な風邪でも、「ぶり返し」ということは良く聞くと思います。こういうことは、通常にあり得ることだと思います。だいたい、「抗体」というものは恒久的なものかというと必ずしもそうではなくて、ものすごく厳密にいえば、ウイルスによっても異なるし、ウイルスに感染して抗体を得た人と、ワクチンとかの人工的な経路で抗体を得た人にも、もしかしたら差があるのではないかと個人的には思います。
たとえば、インフルエンザの予防接種で得た抗体は、四ヶ月くらいから低下していく傾向があることが知られています。だから、インフルエンザが流行しそうな時期(冬)の直前に予防接種をして、冬の間抗体を持っていれば、インフルエンザの予防になるだろう、というのがインフルエンザの予防接種の考え方で、1回予防接種をしたら、該当するインフルエンザに一生かからない、とかそういうことは期待されていないわけです。
そして、予防摂取全体にいえることですが、BCGをいくらやっても結核の抗体が陽性にならない人とか、医療従事者に義務づけられているB型肝炎の予防接種をいくらやっても、しばらくすると抗体が陰性になってしまう人とか、率は少なくても、けっこういます。だけど、こういう人達が、免疫力全体が低下していていろんな感染症になりやすいのかというとそうではなくて、たまたまBCGで抗体ができにくい体質である、とか、年齢の問題とか、そういうことで、該当する抗体だけができにくいだけで、普通に生活している人が大勢いるわけです。
で、コロナに関しては、軽度の1度の不顕性感染で抗体ができない場合、「ぶり返し」はあるかもしれませんが、ウイルスへの暴露を繰り返しているうちに、抗体が充分できてくる人も出て来るでしょうし、インフルエンザの予防接種と同程度の効果を期待するのであれば、ワクチンの開発も無意味ではないと思います。それに、ワクチンでの抗体の持続効果が期待できなくても、人工的に抗体が産生できれば、初期患者に対する「γグロブリン投与」(抗体を直接投与する治療法)も可能になるのではないのでしょうか?? 麻疹のγグロブリン投与も重症化を防ぐためのものと思います。ただし、「抗体ができにくい」とあらかじめ分かっている人なら、「ぶり返し」(再感染と再活性の両方を含みます)に充分注意して、直ったとされた後も、流行中は外出をできるだけ控える、とかそういう配慮は、自分の身を守るために必要だと思います。
そして、治療薬に関しては、アビガンとかは、「RNA合成阻害剤」といって、ウイルスの増殖を抑える薬ですから、患者さんに抗体があっても、なくても、その化学的性質としてウイルスの増加は抑える効果が期待されます。
だから、6割の人が抗体を得られるなら、流行期間中はけっこう有効な集団免疫も期待できるのではないかなあ?? と個人的には思いますが。でも、だからといって、ワクチンとか薬の開発をほっとていてはいけませんよ、とそういうことです。インフルエンザだって、ワクチン(予防接種)、薬(タミフルとかアビガン)を複合的に使って予防と治療に当たるわけですから、そういう総合的なシステムを整えることは、COVID-19にも当然必要とされると思います。
でも、個人的なこと言えば、私は家族にインフルエンザワクチンに過敏反応する人がいるので、インフルエンザの予防接種を受けたことがありません。でも、そういえばかかったことないし。「ルゴール教の信者だから」と思うわけですが(苦笑)。うちの母親なんかは、割と「抗体の持続性のないワクチンなんて意味があるの?」という考えの人かなー、と思います。私はそこまでは言いません。インフルエンザのワクチンは、薬価の高い薬が好きな厚生労働省とか、医者とか、製薬会社にとっては有効な意味があるのではないでしょうか(もう、暴言しか出てこないな、私も-;。でも、期間限定であっても、「免役の獲得」という意味では、インフルの予防接種は全くの無意味ではないだろうとは、思っています)。一部の情報で、不安感を増されることのないように、と思います。