あれ? なんだか、「応酬義務違反」の判例について、「おまけ」に思うところを書いて欲しい、とか言われる気がする@@。
ええと、浜松医大の臓器ツーリズム疑い患者拒否の件と、不妊治療診療拒否の件。
浜松医大については、私は「応酬義務」があると思う。判決の方が間違ってると思います。その責任の一端は弁護士の主張にもあって、「そもそも臓器売買なんかしてない」から「治療すべき」っていう主張なのがよろしくないと思います。「犯罪者にも治療を受ける権利は存在する。刑務所にだって矯正医官がいるんだからー」と述べれば良かったのでは、と思います。要は500万円の罰金を払って、大学からは損害賠償を頂けば良かったのではないか、と思います。術後の免役抑制療法は特殊な管理が必要と思われるので、それはやんなきゃいけないと思う。刑事罰を徹底して、罰金を引き上げるべき問題と思います。
不妊治療についてはねー、トラブルの本来の原因がどこにあるのかが分からないのでなんとも。やってもうまくいかないことも多い分野であるので。患者の側に、「受精卵を無断でパクられた」とか、はっきりとした悪事みたいなものの証拠があれば、どうだろう? とは思いますが。まあ、「転院しないうちは我慢してやるけど、転院したら見てろよ」と思う病院はあるかもねえ、患者目線ではね? という感じです-;。私としては「係争中」であるから、とかないから、という理由だけで無く、
不妊治療は患者の生命予後には関係しないこと(緊急性がないこと)。
保険請求が認められてる一般的な医療ではないので、内容については病院の裁量に任せられる部分が多く、保険医のように「ガイドラインに従うべし」という義務があんまり病院側にないので、「不満があるなら余所へどうぞ」って言いやすいこと。
具体的に転院できる病院を紹介していること
から診療拒否も認められる、とすべきと思います。というか、普通に訴訟を起こすと言うことは医療内容に不満があった、ということで、それが適切だったのか不適切だったのかは裁判で証明せねならず、そのためには、まず「カルテをはき出せ」と患者側は述べることが通常であると思うし、医療内容に不満があるなら何故診療の予約をしたのか? となると思いますので。トラブルから訴訟に至るまでの交渉の経過とかも吟味されねばならない、と思う。
保険医が「ガイドラインに沿った診療をやるのが嫌だから転院しろ」というのは、係争中であろうがなかろうが駄目なんじゃないのですかねえ? まあ、ちゃんと「保険診療に適した治療をやって下さい」って患者が申し入れているとか、そういう通常の交渉を経ている必要はある、と思いますが。
まあ、普通に保険医が「保険医療をやらないから転院しろ」って患者に言ったらですねえ? むしろ「保険医をやめろ」ということになると思うので。「医師が保険医療をやることを拒否したことが原因の転院要求である。」ということを、病院側が明確にして、保険医を止めれば診療しなくて済みますよ。保険医をやりたくないんでしょ? となると思う。それに、それを明確にしておいてくれれば転院後に訴訟も起こしやすくなるし。私なら、「患者はガイドラインに即した治療を求めているのみであり、かつ医師の治療にも可能な範囲で協力しているので、それを診療拒否するのであれば、「保険医療をやらないから転院しろ」ってまず一筆書いて下さい。そうしたら検討します。」と言うと思います。裁判を起こす前にね。そして、付け加えれば、紹介された転院先からは「ガイドラインに沿った医療の提供を行います」って一筆出させると思います。自ら選んで転院するわけではないのでね。
だから
訴訟を起こしたことが診療拒否の原因になり得るのか
といったら、ケースバイケースで、それのみで一律に判断することは、よろしくない、と思います。特に患者の生命予後に関する治療を拒否することは、浜松医大の件もそうだけれども、よろしくないことと思います。個人的にはね。