さて。シュメールのニンギジッタこと「トトン神」が、「悪しき蛇神を倒す英雄」に変貌するまでの間に、
「何か宗教改革のようなものがあって、神話が書き換えられている。」
ということに気づく。しかもこれ2重に書き換えがあるわけです。
「英雄が倒すのは悪しき蛙神」
でなければならないはずなのです。本来はね。何故かというと、そのヒントはインド・イラン神話にあるわけで、アスラとデーヴァの対立に由来する。アスラは中国語に直すと「蛙黽」、デーヴァは「虎」なので。水神は本来は蛙でないといけないのです。でも、インド神話を見ればナーガ、ナーガって長い蛇ばっかり出てきます。
なので、気が重いけれども、遺伝子のハプログループを探って、弥生人のルーツを探る。WikipediaにはハプログループD1aは、中国中部出身で、弥生人を含む中国東北部と朝鮮に多く、イ族と苗族の中にも見られる、と書いてあった。なので、長江流域までしょうもない先祖の祝融を捜しにいくことにする。
苗族の伝承の中に、「アコリンと雷たちの腕くらべ」という話がある。アコリンという知恵のある若者が雷、竜、虎と腕くらべをして、火を燃やして勝った、という話。そういえば、ドイツあたりに「岩の蝶結び」とかそういう民話があったなーー、と思う。というか、さっそく「祝融・共工説話」を見つけてため息をつく。もちろん意図的に探しているから、探せば簡単に見つかる-;。雷は鶏雷神の黄帝、竜は黄帝共工、虎は虎西王母だから。要は、「アコリンは羿と嫦娥を焼き殺しました」と暗に言ってるのも同然では、と思う;。苗族の「饕餮」は今は水牛だと思いますが、「蚩尤が先祖」とかって言っているところを見ると「楓」と「牛」も饕餮だと思ってる人は多いはず、と思う;。
イ族の伝承の中には、火をおこして、人々を助けたムトンという若者が出てくる。要は彼も「知恵者」である。さすがに「太陽から火を盗んできた」とは言ってないけれども、木で火をおこしているから、木は「饕餮」の象徴である。ムトン君は、西方に旅してプローメーテウスという名になったような気がする。イ族はムトン君を記念して、火祭りを行うけれども、蛙(竜)饕餮の木に豚とか鶏とか生け贄に捧げるとのこと。豚は饕餮のメジャーなトーテムの一つだし、鶏は黄帝の象徴である。イ族は割と馬と縁の深い部族である。
で、ちょっとベンガルの「トム・ティット・トット君」と私が名付けた神サマを探ってみたわけですが。この神サマが何故か牛じゃなくて、馬なのですよ。そして、
「プロメーテウスも祝融だったんだ。」
とため息をついたあたくしでした。蛙黽という名の希望はいったい、どこの箱の中に隠れているのでしょうか;;。(というか鶏英雄の黄帝は焼いたり、生け贄にしたりするわけだ。まさにじいやんとばあやんを焼くどんど焼きですな-;。だって我らは本当は炎黄の子孫なんじゃん?)
イ族の伝承はこちらのサイトを参考にしました。「雲南省彌 勒県西一郷・火祭り 炎に捧げる情熱」。