24年10月21日2

 そういえば、日本には「かぐや姫」という話があります。竹の中から出てきた女の子が竹取の翁に育てられて、色々な貴公子や帝に求婚されますが、月に帰ってしまう、という話です。「月の女神」になる、というのは潜在的に「死者になる」ということを示します。太陽が死んで月になる、とされているからです。かぐや姫は

太陽女神が死んで(あるいは罰を受けて)竹という岩戸に閉じ込められて死んで、月の女神になった

とそういう話です。これに似てるのがハイヌウェレ神話です。ハイヌウェレはアメタという養父に育てられますが、殺されてしまい、彼女が死ぬと月の女神が人々の間から去ってしまいます。ではアメタとか、竹取の翁って何者? となります。

 竹取の翁とは、竹を切って竹細工を作って生計を立てている老人のことですから、木工芸をやる人、といえます。木工芸の神っていったら、五十猛です。・・・それってほぼ「我が家の祖神」では?? と思う。ハイヌウェレの父親は「狩人」とされていますが、娘を助けるわけではない、というか

娘を岩戸から蘇生させる

のではなくて、

芋に変えてしまう

わけで、ハイヌウェレ神話もまた、「歪んだ岩戸神話」といえます。でも、それが「芋の母」の神話として非常に広い地域に広がっているのでは?? と思います。だから「かぐや姫」も「岩戸神話」の一種なのです。籠もるのが「竹の中」なのですけれども。でも彼女は死んで、月の女神として再生してしまったので、結婚もせず、ということなのです。