22年10月14日

アリアドネーの同類項群を調べていくと、だいたい「男女の似たようなペア」の神に行き着くわけです。アルテミスとディオニューソスもその1対で、どちらも報復心の強い「罰を与える神」である。アルテミスとディオニューソスが直接関わる神話はないように見えても、ディオニューソスの巫女集団であるマイナデスはアルテミスの神獣である鹿の扮装をしているので、アルテミスの化身であることが分かる。マイナデス達は「最下級のアルテミス」であって、巫女でもあるし、時には生贄にもなる。その主人がディオニューソスであるということは、ディオニューソスはアルテミスの主人でもある、ということになる。

ディオニューソスは牛神でもある。中国神話の牛神には、炎帝・蚩尤もいるが、火の神祝融の牛版といえる「火神牛」がいる。そして、ディオニューソスは母親を焼き殺して生まれてくる神なので、日本で言うところの火之迦具土神であり、インドで述べる所のアグニであり、中国神話の「火神牛」である、といえる。祝融もまた人を焼き殺す神である。そして、アルテミスの語源はアグニと同一と思われる。ということで、アルテミスとディオニューソスは人を焼き殺すような「火の神」の一対なのである。それぞれ神話の上では「火神」としての性質はあまり強くないのだが、出自や名前の語源がそう示している。彼らは古代中国の祝融に相当する一対といえる。彼らの性質は、「人々に狂気を与える」と言われている。ディオニューソスは酒の神でもあるので、酔っ払いの狂乱の祭祀が彼のトレードマークでもある。

ギリシア神話よりも古いフルリ神話の中にアダンマ女神とレシェフという一対がいる。彼らも火や太陽に関連した一対と言われている。アダンマ女神の名前はアルテミス女神と子音がほぼ一致しており、火神の一種でもあったと思われる。

そして、メソポタミアでは、エレシュキガルとネルガルという一対がいる。ネルガルは太陽神であり、疫神であり、冥界神である。「罰を与える日(火)の神」とは、疫神であったり、冥界神である、という性質が強くなってくる。他にもメソポタミアではラマシュトゥとパズズという疫神の一対がいる。

そこでまた中国に戻るが、中国には相柳と共工という洪水を起こす一対の神がいる。洪水が起きれば当然疫病も流行る。彼らには「火の神」という性質はほとんどない。ということは、相柳と共工から「火の神」としての性質を切り離して独立させたものが祝融で、水神としての性質に統一したものが相柳と共工とはいえないだろうか。古代中国では太陽神が天候神でもあったので、太陽神がまた水神でもあったのである。しかし、彼らは自律的に災厄を起こす、正真正銘の祟り神である。ただ、柳は古代中国では「春の訪れ」を意味する木であるので、かつて、相柳は春をもたらす西王母的な女神であったことの名残が名前に見られる。ただし、樹木(植物)というものは「死んだ人が化生するもの」なので、相柳は言外に「死んだ女神」であって、嫦娥と一致する神であることが示唆されている。

そして、高句麗で「柳」とつく女神といえば、高句麗の創始者・朱蒙の母・柳花夫人がいる。柳花夫人は春を思わせる名前を持っているが、河伯の関係者でもあり、人身御供などで「死んだ女神」であることが示唆される。夫が二人いるのだけれども、彼らとの関係はテーセウスとミーノータウロスとアリアドネーとの関係に似るように思う。

そして日本には木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)という女神がいる。富士山の女神である。木の花とは「桜の花」だと言われている。それはともかく、女神が木のときは「死んだ女神」といえる。火山の女神である。父親の大山祇は火之迦具土神の子であり、火神としての性質がある。中部日本は渡来系の氏族が古くから入植しており、木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)と大山祇は、どう見ても「火の神」の一対であり、かつ木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)はどう見ても柳のことでしょ、柳花夫人のことでしょ? となる。

で、「甲斐駒」の「駒」が「高麗」なら、善光寺の裏の「駒弓」とは誰のことなのか? と聞かれる気がするわけで。それは「高麗弓」と書いて、弓の名手の朱蒙王のこと、と思う。では、朱蒙王と一緒に祀られている、「殺される女神」であるところの大宜都比売とは誰のことか? と聞かれる気がする。それは嫦娥のことであり、柳花夫人のこと、と思う。朱蒙王を生むにあたり、「室内に閉じ込められて」おり、これは天照大御神の岩戸隠れと同じで「死」を暗示している。啓の母・塗山氏女と同じである。すなわち、朱蒙王とは啓のことであり祝融のこと、となるのか、と思うわけですが。

ともかく、その祝融さんはですねえ? 相柳と共工の組み合わせであった時に西欧に伝播して、「自律した疫病神」である上に「酒や麻薬の狂気の神」でもあったんじゃないのですかねえ? そういう縁起の悪いのを祖神にしている金刺氏とか阿蘇氏とかいる? 善光寺って金刺氏のお寺だよねえ? となる-;。でもって、「富士信仰」というのは「常世信仰」といって、「不老不死」の信仰と非常に関連が深いわけです。どうも、「常世信仰」というのは、芋虫を神様にして、人々を酒と麻薬漬けにして、財産を召し上げて操る集団。要は廃人・ジャンキーを作り出し、操り人形のように操って世界を支配しようとする信仰、という気がするわけで。飛鳥時代頃に、モラル感なんかないような飛鳥時代ですら社会問題になるような集団だったらしい。木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)とは、その集団の「祖神」の相柳だったんじゃ? と思うわけで。相柳は九頭竜であったので、日本では単に「九頭竜女神」と呼びます。九頭竜は戸隠にもいるし、中部日本のあちこちにいる。そして阿蘇にもいる。信濃国造と阿蘇国造の家系は誰の子孫だっけなー、ってすぐにそうなる、ということで-;。

上宮王家を滅ぼした蘇我氏は暗殺を非常に恐れて用心していたけれども、天智天皇に殺されてしまった。女王卑弥呼は、まるで暗殺を恐れているかのように、宮殿奥深くに閉じ込もって生活していたという。とんでも邪教集団、いわゆる「山のおやじ」の大先輩から送り込まれてくるジャンキーの暗殺者を、みんな恐れていたのではないのですかねえ? と思う。開いた口が塞がらない、とはこのことである。だけど、自分の一族郎党を見渡すと、「そういうことやりそうな連中ばっかし」と思う自分もいる-;。ともかく、あたくしのすることは、邪気を払うことです。それが「陽気の女神」の仕事である。(というか、Mステを見たら、レベッカが久しぶりに出ていて、NOKKOが「LONLY BUTTERFY」を、どこの魔女なのかと思うような真っ黒の服で歌っていて、ドン引きである-;。よりにもよってこの時期に芋虫の歌とは;;。)