毎日忙しく出歩いております。ともかく、「ハプロタイプO2」の神話について書け、と言われるような-;。
1.檀君神話(DN)
2.朱蒙神話(TN)
3.天之日矛(都怒我阿羅斯等=角がある人?)
4.八坂金熊
5.馬頭娘
6.須佐之男と大宜津比売
7.味耜高彦根神
を書きましょう。子供、母親、父親の順に纏めます。
1.檀君神話(DN=たぶん熊)、母親=熊、父親=桓雄(ハムス、HM=熊、雷神か天候神)、母親が誰かに迫害されるエピソードはなし
2.朱蒙神話(TN=蛙又は熊)、母親・ユファ(DV)、父親=金蛙王(=蛙)、解慕漱(ヘモス、HM=熊)、日光、母親は身内に迫害される。金亜王に閉じ込められるところは、須佐之男のせいで閉じ込められる天照と同じ
3.子供についての記載なし(存在したとすればおそらく牛)、母親・阿加流比売(=牛、雷神)、天之日矛(都怒我阿羅斯等=角がある人?=牛)、母親は夫に迫害される、これは須佐之男に迫害される天照に同じ
4.八坂金熊(=熊)、母親=大姥=熊(たぶん)、父親(花火?=雷神)、母親が誰かに迫害されるエピソードはなし
5.蚕(=頭が馬)、母親(蚕に変身する人間)、父親(空飛ぶ馬、白馬であれば雷神)、母親は父親に殺される
6.各種穀物・牛・馬・蚕、母親(大宜津比売)、父親・須佐之男(主に馬か牛、白馬であれば雷神)、母親は父親に殺される
7.味耜高彦根神(TT)、母親(玉依姫)、父親・火雷神、母親が誰かに迫害されるエピソードはなし
となります。だいたい、熊と熊のカップルからしか熊の子は生まれませんので、ざっくりと夫婦のどちらかのトーテムがはっきりしていれば、相方もそうだと思ってくださいませ。結論から申せば、「N」、「M」、「熊」の字がついている子供は全部「熊」です。だって、親が熊だから。檀君、朱蒙、八坂金熊は熊神です。父親は天の熊神で雷神です。西方の神話だとクマルビとかフンババとかクンバンとかクロノスとかエンキ・クヌムという神になります。朱蒙の場合、父親は熊なのか蛙なのか、となると思いますが、これは「どっちでも対応可能」というくらいに考えておいて下さい。どっちでも良いです。そんなものです。古代中国の人は雷とは太陽から来るもの、みたいに考えていた節があるので、日光でも雷光でもどうでも良いです。よって、父親は太陽神でも雷神でも火神でもなんでも良いです。好きなのを選んで下さい。そういう「なんでもあり」の適当さはNo5,6によくよく現れています。火と雷は本来は異なるものです。でも、なんでも良いのです。「語る人に都合が良ければ」となります-;。
そして、「同じ理由」で母親のトーテムも同様になり、水神的なユファ、赤と白の色で象徴される雷女(=太陽女神)である阿加流比売、月の女神を思わせる大宜都比売、とこちらも「何でもあり」になります。月は太陽が死んだもの、なんだからなんだって「同じ物」なのです。ともかく、この一群の神話を真面目に理解したかったら、まず、馬と鹿が区別できる脳みそを捨てなければなりません。で、こうやって見ると
檀君=朱蒙=味耜高彦根神
となりますが、一方、味耜高彦根神は「殺された神が再生した物」でもあります。檀君=朱蒙のように、「殺されずに王的に君臨した群」は西欧におけるゼウスやユーピテルといった「主神群」と一致すると思います。でも「殺された神が再生した物」になると、西方ではラダマンテュスのように冥界に再生されて冥界神になったり、タンムーズ・アッティスのように「生贄にされる神」に変化してしまいます。でも彼らは起源を同じくする「T(あるいはTT,TN群)」の雷神から派生したものですので、その性質には連続性があって少しずつ違いはあっても正確にそれぞれの性質を線引きできないのです。味耜高彦根神は「殺された神が再生した物」ですが、賀茂系の氏族の祖神でもあり、「主神的祖神」と「やや冥界神的な雷神(暴れる神)」の両方の性質を併せ持っています。そして、須佐之男にも雷神としての性質がありますが、彼はアダムのように天界を追放された神ですので、天界にいる内から「やや冥界神的な雷神(暴れる神)」としての性質を有していて、この辺りもなんだか「何でもあり」的な設定となっています。というか、アダムまで加えたら、この群の神々は本当に「何でもあり」なカオス状態になるわけですが。
で、トーテムの方も何でもありなので、熊であれば西方ではクマルビ、クロノス、牛であればゼウスとエウロペ、馬であればポセイドーンとデーメーテール、って「何でも対応可能だから」となります。No.7が動物のトーテムを明確にしないのは「何でも対応あり」にしたいから、好きに解釈して、っていう理由なのでは? と思うくらいです。蛙のトーテムは西方ではオグドアドくらいしか思いつきませんが、女神であればヘケト・ヘカテー辺りではないかと思います。檀君の母親が明確な「熊女」ですので、特に取り上げればアルテテミス、テミス、ユーノー、デーメーテール等となると思います。「T」系の男性神は西方では様々に枝分かれしますが、「TN系」の女神は西方では上位の有力な女神が多い気がします。加えて雷女としての性質も併せ持っている。そして、朝鮮では檀君系と朱蒙系の神話に分かれますが、日本では広範囲の氏族の祖神をカバーする「須佐之男系」、賀茂系の「味耜高彦根神系」、渡来の神であることを示す「天之日矛系」の主に3つに分かれる神話群だと思います。「母親」に当たる女神がどこまで迫害されるのかは、語り手の都合と、聞き手の好みで決まるのではないでしょうか。