20年11月25日

 どうも、周囲の敵意が強い-;。そして、「薬の件について考え直すように」と言われる気がするので、さらに突っ込んで調べてみました。

 で、まず春日の若旦那の発言で気になったこと。「尿蛋白が出てないから、腎機能低下は腎症じゃない。」というようなことを言ってたわけですー;。そーなんだ、「糖尿病診断ガイドライン2019」に、「アルブミン尿を伴わない腎機能低下も含めた大きな疾患概念として糖尿病性腎症(DKD)が提言されている」って書いてあるけど? と思う。自分の専門分野のガイドラインをちゃんと読んでる? とまず思う。というか、思われてもしゃーない発言では?? と思う-;。

 で、後は問題となるSGLT2阻害剤、いわゆる「フロジン系」と私は勝手に命名してるわけですが、腎機能保護作用が認められているものも、確かにある。カナグリフロジン、ダバグリフロジンあたりは、将来的には糖尿病の枠を外して、「慢性腎臓病」に適用可能になる可能性がある薬でもあると思う。で、大雑把に言うと、「アルブミン尿」が認められる二型糖尿病患者に対する臨床試験で、カナもダバも優位な結果は出てるわけですが、カナの方が発表されたのが2019年4月、ダバの方は2020年9月ということで、この2剤に対する学会とかの明確なエビデンスはまだガイドラインに載ってない。要するに、フロジン系は、「将来性はあるけれども、ガイドライン的には確立されていない薬」である。

 ・・・・正直言って、自分が専門のガイドラインもまともに読んでなさげな臨床医が、なんで最新のフロジン系の薬剤の知識だけ持ってるん? なんか、状況が矛盾してない? と、まずそう思う-;。もう誰かに「言わされてる」感がすごくしない? と思う。特にカナの方は、アルブミン尿が顕著で、かつHbA1cの平均が8.3%とか、よくよく悪い患者に対して試験してるし? うちのじいさんは、そこまで重症には思えないんだけど?? と思う。

 一方、効果が比較的緩やかなトラゼンタ(リナグリプチン)の方にも、一応腎機能保護作用とか、全身の臓器の保護作用が期待できる作用が「ないわけではない」。というか、老人というのはさ、「病的」とはいえなくても、各臓器が漏れなく、満遍なく弱ってることは事実であるので。(というか弱ってなければ、誰も年とって死なないじゃん? と思う-;)私はけっこう「多臓器の保護作用」という言葉は好きである(笑)。

 そして、結局糖尿病専門医としての若旦那に問いたいことは、「腎臓の機能として尿蛋白(あるいは尿アルブミン)が重要だ」と思うのであれば、あんたは患者に薬剤を投与した際に、その効果をどう追跡して、確認していくつもりなのか? とそれだけである。最初に、薬剤投与前の尿蛋白は+-だったよねえ? それで、トラを投与したら尿蛋白ーになったよねえ? そもそも、あんたは医者として、それをどう評価してるのか? トラ投与前は尿蛋白があったから糖尿病性腎症で、今は尿蛋白がないから糖尿病性腎症ではない、とは言わないよねえ? と、そういうことになる。薬を変えたがるのはまあ良いとして、変えた後どう検査して、効果を確認していくつもりなのですかね? 学会のエビデンスもまだ確立されていない薬なのにさあ? とそう述べるしかない。だいたい、若旦那のやり方について、一番よろしくない、と思う点だけれども、治療前の「null」の状態でも患者の尿中アルブミン量の測定を全然やってないし、今でも一度も尿中アルブミン量の測定はしてない、という点に尽きる。だから、薬を投与して、患者の「尿中アルブミン量がどう変化したのか」という正確な評価ができないわけです。まあ、そういう適当なのでもあんまり文句を言う気はないわけですが、適当にやるならやるで、エビデンスも明確でない薬をやたらと使いたがるものではない、と思います。トラで尿蛋白が減少したのであれば、それが「腎保護作用」だし、「現実」ですよ。それ以外に意味不明な評価をするのは勝手だが、信用をなくすだけだと思うけど? とそうなる。まあ、我が家は全員腎臓に難があるので、家族全員のために、カナやダバのエビデンスが確立されるかもしれない過程は気にかけておきたいと思います。でも、今すぐ、何としても使いたいと思うほどの魅力は、今のところ私にはないと思います。