どうもなんだか、私は「にわか法務部長」? みたいな気がするわけで。
厳密には医療訴訟は専門家じゃないですよ? だけど、法律一般として、契約とか交渉毎は
「当事者が対等な立場で取り決めるべき」
という思想があるわけです。民法第1条2項の
「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」
というやつです。だから、コンセンサス(合意)が大切、というのは、当事者(患者、医者)とまあ慣例として患者家族の合意が大切で、患者家族が当事者でなくても合意が大切なのは、結局自分の時間とかお金を削って患者の面倒を見るのが家族、であって家族の利害(財産権とか労働権とか)に関係するからです。治療方針の合意は、医者が方針を説明するだけでは足りなくて、相手も理解した上で合意している必要があります。建築訴訟もそうだけど、専門家である医者と、素人との間では「専門的な知識」に差がありすぎるので、普通に話をしてただけでは、「対等」とか「平等」に意見をのべ合って治療方針を決めることができないのです。若旦那は「あれとこれの治療方法がありますけど、どうしますか?」って良く聞きますけど、本来的には、それだけでは真の対等とはいえない。患者の方から「こういう治療法もあるって聞いてますけど、どうですか?」って尋ねたって良いわけです。それでこそ、互いに意見を言い合えるんじゃん? となる。(そんなレベルの患者もあんまりいないと思うけど)
で、少なくとも建築訴訟では、専門家が素人に説明をする時は、専門家が口頭でああだこうだと言うだけでは足りなくて、きちんと根拠を文書とか証拠としてあげて説明しなきゃだめ、しかも説明したこともちゃんと記録しとかなきゃダメ、という不文律があるわけです。でないと、素人に分かるように対等に公平に説明したとはみなされません。医業においても、同様のことが言えると思います。だって、若旦那みたいに説明するときに医者が嘘ついても、素人はそれが嘘かどうか分かりません。それじゃ法的に対等でも公平でもないのです。・・・・私の場合は嘘だって分かってれば、民法93条1項により
第93条1項
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意でないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
ということで、要は、若旦那も私も、互いに「嘘」だって分かってて言ってやり取りしてることは、表意者(=若旦那)、相手方(=私)ということになるので、言ってることは全部無効になります。法的には「言わなかったのと同じ事」になります。だから、レセプトの提出先の嘘なんかは無効だし、尿糖がフィルターとかどうのって話も、無効ってことです。でも、コンセンサスは、当然有効な話し合いの上に合意されるべきものだから、無効な根拠によるコンセンサスは、結局は「効力がないもの」として無効となるか、嘘が根拠のコンセンサスだから詐欺取消か、錯誤取消(今は取消のはず)、でなきゃ公序良俗違反で、結局は無効となる運命です。脅迫によるコンセンスも取消か無効です。だから、若旦那が嘘と脅迫で検査に関して医療拒否を続ける限り、法的に有効なコンセンサスが形成できないんざます。この場合、全ての診療を拒否しているわけではないので、契約でいうと微妙だけど、「不完全履行」となります。医行為自体は、請負契約か委任・準委任契約のどっちかに入ると思う。不法行為でいうと、「患者の生命・身体(場合によっては財産権?も入るかも??)の侵害」となります。刑法でいうと、脅迫とか詐欺とか傷害・暴行罪の問題となるー;。まあ、医療法にも微妙に引っかかりますし。
市民病院の方は、私が文句を言わずに、カソ単剤投与で満足してるんだから、それを「不作為幇助」(「何もしないことで合意していること」という意味ですね、この場合はね。不法行為ということではなくてね。)として良いわけです。でも、薬をやめることまでは合意してないです。だから、それは反対の意思表示をして、血液検査もしっかりさせて、止めたでしょ? となる。私はそれこそ法律の専門家ではないので。私に知識はこんなとこなわけですが。